b1102.
右衛門太夫殿御返事 (うえもんのたいふどの ごへんじ).
日蓮大聖人 58歳 御作.

 

うえもんのたいふどの ごへんじ.
右衛門太夫殿 御返事.

そもそも ひさしく もうし うけたまわらず そうろうの ところに.
抑 久しく 申し 承らず 候の 処に.

おんふみ とうらい そうらい おわんぬ.
御文 到来 候い 畢んぬ.

ことに あおきうらの こそで ひとつ ぼうし ひとつ おび ひとすじ.
殊に あをきうらの 小袖 一 ぼうし 一 をび 一すぢ.

がもく いっかんもん くり ひとかご たしかに うけとり まいらせ そうろう.
鵞目 一貫文 くり 一籠 たしかに うけとり まいらせ 候.

とうこんは まっぽうの はじめの 500ねんに あたりて そうろう.
当今は 末法の 始の 五百年に 当りて 候.

かかる じこくに じょうぎょうぼさつ ごしゅつげん あって なんみょうほうれんげきょうの 5じを.
かかる 時刻に 上行菩薩 御出現 あつて 南無妙法蓮華経の 五字を.

にほんこくの いっさいしゅじょうに さずけ たもうべきよし きょうもん ふんみょう なり.
日本国の 一切衆生に さづけ 給うべきよし 経文 分明 なり.

また るざい しざいに おこなわるべきよし あきらかなり.
又 流罪 死罪に 行わるべきよし 明かなり.

にちれんは じょうぼさつの おんつかいにも にたり.
日蓮は 上行菩薩の 御使にも 似たり.

この ほうもんを ひろむる ゆえに.
此の 法門を 弘むる 故に.

じんりきほんに いわく 「にちがつの こうみょうの よく もろもろの ゆうみょうを のぞくが ごとく.
神力品に 云く 「日月の 光明の 能く 諸の 幽冥を 除くが 如く.

この ひと せけんに ぎょうじて よく しゅじょうの やみを めっす」とう うんぬん.
斯の 人 世間に 行じて 能く 衆生の 闇を 滅す」 等 云云.

この きょうもんに しにんぎょうせけんの いつつの もじの なかの ひとの もじをば だれとか おぼしめす.
此の 経文に 斯人行世間の 五の 文字の 中の 人の 文字をば 誰とか 思し食す.

じょうぎょうぼさつの さいたんの ひと なるべしと おぼえたり.
上行菩薩の 再誕の 人 なるべしと 覚えたり.

きょうに いわく 「わがめつどの のちに おいて まさに この きょうを じゅじ すべし.
経に 云く 「我が 滅度の 後に 於て 応に 斯の 経を 受持 すべし.

その ひと ぶつどうに おいて けつじょうして うたがい あること なけん」 うんぬん.
是の 人 仏道に 於て 決定して 疑 有ること 無けん」 云云.

きへんも じょうぎょうぼさつの けぎを たすくる ひと なるべし.
貴辺も 上行菩薩の 化儀を たすくる 人 なるべし.

こうあん 2ねん つちのとう 12がつ みっか.
弘安 二年 己卯 十二月 三日.

にちれん かおう.
日蓮 花押.

うえもんのたいふどの ごへんじ.
右衛門太夫殿 御返事.

 
→a1102
→c1102
 ホームページトップ
inserted by FC2 system