b1109.
四条金吾女房 御書 (しじょうきんご にょうぼう ごしょ)
日蓮大 聖人 50歳御作


 
 しじょうきんご にょうぼう ごしょ.
四条金吾 女房 御書.

かいたいの よし うけたまわり そうらい おわんぬ.
懐胎の よし 承り 候い 畢んぬ、.

それに ついては ふの こと おおせ そうろう.
それに ついては 符の 事 仰せ 候、.

にちれん そうじょうの なかより えらみ いだして そうろう.
日蓮 相承の 中より 撰み 出して 候・.

よくよく しんじん あるべく そうろう.
能く能く 信心 あるべく 候、.

たとえば ひやく なりとも どくを いれぬれば くすりの よう すくなし.
たとへば 秘薬 なりとも 毒を 入れぬれば 薬の 用 すくなし、.

つるぎ なれども・ わるびれたる ひとの ためには なにかせん.
つるぎ なれども・わるびれたる 人の ためには 何かせん、.

なかんずく ふうふ ともに ほっけの じしゃなり.
就中 夫婦 共に 法華の 持者なり.

ほけきょう るふ あるべき たねを つぐ ところの たまの こ いで うまれん.
法華経 流布 あるべき たねを つぐ 所の 玉の 子 出で 生れん.

めでたさ おぼえ そうろうぞ.
目出度 覚え 候ぞ、.

しきしん にほうを つぐ ひとなり いかでか おそなわり そうろうべき.
色心二法を つぐ 人なり 争か・をそなはり 候べき、.

とくとく こそ うまれ そうらわん ずれ.
とくとく こそ・うまれ 候はむ ずれ、.

この くすりを のませ たまわば うたがい なかる べきなり.
此の 薬を のませ 給はば 疑い なかる べきなり、.

やみ なれども ともしび いりぬれば あきらかなり.
闇 なれども 灯 入りぬれば 明かなり.

だくすいにも つき いり ぬれば すめり.
濁水にも 月 入り ぬれば すめり、.

あきらかなる こと・にちがつに すぎんや.
明かなる 事・日月に すぎんや.

きよき こと れんげに まさる べきや.
浄き 事・蓮華に まさる べきや、.

ほけきょうは にちがつと れんげと なり.
法華経は 日月と 蓮華と なり.

ゆえに みょうほうれんげきょうと なずく.
故に 妙法蓮華経と 名く、.

にちれん また にちがつと れんげとの ごとくなり.
日蓮 又 日月と 蓮華との 如くなり、.

しんじんの みず すまば りしょうの つき かならず おうを たれ しゅごし たもうべし.
信心の 水 すまば 利生の 月・必ず 応を 垂れ 守護し 給うべし、.

とくとく うまれ そうろう べし.
とくとく うまれ 候べし.

ほけきょうに いわく「にょぜみょうほう」また いわく「あんらくさん ふくし」うんぬん.
法華経に 云く「如是妙法」 又 云く「安楽産 福子」云云、.

くでんそうじょうの ことは この べん こうに くわしく もうし ふくめて そうろう.
口伝相承の 事は 此の 弁 公に くはしく 申し ふくめて 候・.

そく にょらいの つかい なるべし かえすがえすも しんじん そうろうべし.
則 如来の 使なるべし 返す返すも 信心 候べし。.

てんしょうだいじんは たまを そさのうのみことに さずけて たまの ごとくの みこを もうけたり.
天照太神は 玉を・そさのをのみことに さづけて 玉の 如くの 子を まふけたり、.

しかる あいだ ひの かみ・わが こと なずけたり.
然る 間 日の 神・我が 子と なづけたり、.

さて こそ まさやあかつとは なずけたれ.
さて こそ 正哉吾勝とは 名けたれ、.

にちれん うまるべき たねを さずけて そうらえば いかでか わが こに おとるべき.
日蓮 うまるべき 種を さづけて 候へば 争か 我が 子に をとるべき、.

「ういちほうしゅ けじきさんぜん」とう.
「有一宝珠 価直三千」等、.

「むじょうほうじゅ ふぐじとく しゃかにょらい かいぜごし」とう うんぬん.
「無上宝聚 不求自得・釈迦如来 皆是吾子」等 云云、.

にちれん あに このぎに かわるべきや.
日蓮 あに 此の 義に かはるべきや、.

さいわいなり さいわいなり めでたし めでたし.
幸なり 幸なり めでたし めでたし・.

またまた もうすべく そうろう あなかしこ あなかしこ.
又又 申すべく 候、あなかしこ あなかしこ。.

ぶんえい 8ねん 5がつ なのか.
文永 八年 五月 七日.

にちれん かおう.
日蓮 花押.
 
しじょうきんご どの にょうぼう ごへんじ.
四条金吾 殿 女房 御返事.

 →a1109
 →c1109
ホームページトップ 
inserted by FC2 system