b1305から1306.
妙法曼陀羅供養事(みょうほうまんだら くようのこと).
日蓮大 聖人 52歳御作.

 

b1305

みょうほうまんだら くようの こと.
妙法曼陀羅 供養 事.

ぶんえい 10ねん 52さい おんさく.
文永 十年 五十二歳 御作.

あたう せんにちあま.
与 千日尼.
 
みょうほうれんげきょうの ごほんぞん くよう そうらいぬ.
妙法蓮華経の 御本尊 供養 候いぬ、.

この まんだらは もじは 5じ 7じにて そうらえども.
此の 曼陀羅は 文字は 五字 七字にて 候へども.

さんぜの しょぶつの おんし いっさいの にょにんの じょうぶつの いんもん なり.
三世の 諸仏の 御師 一切の 女人の 成仏の 印文 なり、.

めいどには ともしびと なり.
冥途には ともしびと なり.

しでの やまにては りょうめと なり てんには にちがつの ごとし.
死出の 山にては 良馬と なり・天には 日月の 如し・.

ちには しゅみせんの ごとし.
地には 須弥山の 如し・.

しょうじかいの ふね なり じょうぶつ とくどうの どうし なり.
生死海の 船 なり 成仏 得道の 導師 なり。.

この だいまんだらは ほとけ めつご 2せん 2ひゃく 2じゅうよねんの あいだ.
此の 大曼陀羅は 仏 滅後・二千 二百 二十余年の 間・.

いちえんぶだいの うちには いまだ ひろまらせ たまわず.
一閻浮提の 内には 未だ ひろまらせ 給はず、.

やまいに よりて くすり あり.
病に よりて 薬 あり.

けいびょうには ぼんやくを ほどこし じゅうびょうには せんやくを あたうべし.
軽病には 凡薬を ほどこし 重病には 仙薬を あたうべし、.

ほとけ めつごより いままでは 2せん 2ひゃく 2じゅうよねんの あいだは.
仏 滅後より 今までは 二千 二百 二十余年の 間は.

ひとの ぼんのうと ざいごうの やまい かろかり しかば.
人の 煩悩と 罪業の 病 軽かり しかば・.

ちしゃと もうす くすしたち つづき いでさせ たまいて.
智者と 申す 医師たち・つづき 出でさせ 給いて.

やまいに したがって くすりを あたえ たまいき.
病に 随つて 薬を あたえ 給いき、.

いわゆる くしゃしゅう じょうじつしゅう りっしゅう ほっそうしゅう さんろんしゅう しんごんしゅう けごんしゅう てんだいしゅう じょうどしゅう ぜんしゅう とう なり.
所謂倶舎宗・成実宗・律宗・法相宗・三論宗・真言宗・華厳宗・天台宗・浄土宗・禅宗 等 なり、.

かの しゅうじゅうに いちいちに くすり あり.
彼の 宗宗に 一一に 薬 あり、.

いわゆる けごんの 6そう10げん さんろんの はっぷちゅうどう ほっそうの ゆいしきかん りつしゅうの 250かい じょうどしゅうの みだの みょうごう ぜんしゅうの けんしょうじょうぶつ しんごんしゅうの 5りんかん てんだいしゅうの いちねんさんぜん とう なり.
所謂・華厳の 六相十玄・三論の 八不中道・法相の 唯識観・律宗の 二百五十戒・浄土宗の 弥陀の 名号・禅宗の 見性成仏・真言宗の 五輪観・天台宗の 一念三千 等 なり。.

いまの よは すでに まっぽうに のぞみて しょしゅうの きに あらざる うえ.
今の 世は 既に 末法に のぞみて 諸宗の 機に あらざる 上、.

にほんこく いちどうに いっせんだい だいほうぼうの ものと なる.
日本国 一同に 一闡提 大謗法の 者と なる、.

また ものに たとうれば ふぼを ころす つみ むほんを おこせる とが.
又 物に 譬うれば 父母を 殺す 罪・謀叛を をこせる 科・.

すいぶつしんけつ とうの じゅうざい とうにも すぎたり.
出仏身血 等の 重罪 等にも 過ぎたり、.

→a1305

b1306

3ぜんだいせんせかいの いっさいしゅじょうの ひとの まなこを ぬける つみ よりも ふかく .
三千大千世界の 一切衆生の 人の 眼を ぬける 罪 よりも 深く・.

じっぽうせかいの どうとうを やき はらえる よりも こえたる だいざいを.
十方世界の 堂塔を 焼き はらへる よりも 超えたる 大罪を・.

1にんして つくれる ほどの しゅじょう にほんこくに じゅうまん せり.
一人して 作れる 程の 衆生・日本国に 充満 せり、.

されば てんは ひびに まなこを いからして にほんこくを にらめ.
されば 天は 日日に 眼を いからして 日本国を にらめ、.

ちじんは いかりを なして ときどきに みを ふるうなり.
地神は 忿りを 作して 時時に 身を ふるうなり、.

しかるに わが ちょうの いっさいしゅじょうは みな わが みに とが なしと おもい.
然るに 我が 朝の 一切衆生は 皆 我が身に 科 なしと 思ひ・.

かならず おうじょうすべし じょうぶつを とげんと おもえり.
必ず 往生すべし・成仏を とげんと 思へり、.

かくかくたる にちろんをも め なき ものは みず しらず.
赫赫たる 日輪をも 目 無き 者は 見ず 知らず、.

たとえば たいこの ごとくなる じしんをも ねぶれる ものの こころには おぼえず.
譬えば たいこの 如くなる 地震をも・ねぶれる 者の 心には・おぼえず、.

にほんこくの いっさいしゅじょうも かくの ごとし.
日本国の 一切衆生も 是くの 如し.

にょにん よりも なんしの とがは おおく なんし よりも あまの とがは おもし.
女人 よりも 男子の 科は ををく・男子 よりも 尼の とがは 重し・.

あま よりも そうの とがは おおく はかいの そう よりも じかいの ほっしの とがは おもし.
尼 よりも 僧の 科は ををく・破戒の 僧 よりも 持戒の 法師の とがは 重し、.

じかいの そうよりも ちしゃの とがは おもかるべし.
持戒の 僧よりも 智者の 科は をもかるべし、.

これらは らいびょうの なかの びゃくらいびょう びゃくらいびょうの なかの だいびゃくらいびょう なり.
此等は 癩病の 中の 白癩病・白癩病の 中の 大白癩病 なり。.

まつだいの いっさいしゅじょうは いかなる だいい いかなる りょうやくを もってか じす べきと かんがえ そうらえば.
末代の 一切衆生は いかなる 大医 いかなる 良薬を 以てか 治す 可きと かんがへ 候へば・.

だいにちにょらいの ちけんの いん ならびに だいにちの しんごん あみだにょらいの 48がん.
大日如来の 智拳の 印 並びに 大日の 真言・阿弥陀如来の 四十八願・.

やくしにょらいの 12だいがん しゅびょうしつじょの ちかいも この くすりには およぶ べからず.
薬師如来の 十二大願・衆病悉除の 誓も 此の 薬には 及ぶ べからず、.

つやつや やまい しょうめつ せざる うえ いよいよ ばいぞう すべし.
つやつや 病・消滅 せざる 上・いよいよ 倍増 すべし、.

これらの まっぽうの ときの ために.
此等の 末法の 時の ために.

きょうしゅしゃくそん たほうにょらい じっぽうぶんしんの しょぶつを あつめさせ たまうて.
教主釈尊・多宝如来・十方分身の 諸仏を 集めさせ 給うて.

ひとつの せんやくを とどめ たまえり.
一の 仙薬を とどめ 給へり・.

いわゆる みょうほうれんげきょうの いつつの もんじ なり.
所謂 妙法蓮華経の 五の 文字 なり、.

この もんじをば ほうえ くどくりん こんごうさった ふげん もんじゅ やくおう かんのんらにも あつらえさせ たまわず.
此の 文字をば 法慧・功徳林・金剛薩た・普賢・文殊・薬王・観音等にも あつらへさせ 給はず、.

いかに いわんや かしょう しゃりほつらをや.
何に 況や 迦葉・舎利弗等をや、
.
じょうぎょうぼさつらと もうして よにんの だいぼさつ まします.
上行菩薩等と 申して 四人の 大菩薩 まします、.

この ぼさつは しゃかにょらい 500じんでんごう より このかた.
此の 菩薩は 釈迦如来・五百塵点劫 より このかた.

みでしと ならせ たまいて いちねんも ほとけを わすれず まします だいぼさつを めし いだして さずけさせ たまえり.
御弟子と ならせ 給いて 一念も 仏を・わすれず・まします 大菩薩を 召し 出して 授けさせ 給へり、.

されば この りょうやくを もたん にょにんらをば.
されば 此の 良薬を 持たん 女人等をば.

この よにんの だいぼさつ ぜんご さゆうに たちそいて.
此の 四人の 大菩薩・前後 左右に 立そひて・.

この にょにん たたせ たまえば この だいぼさつも たたせ たまう.
此の 女人 たたせ 給へば 此の 大菩薩も 立たせ 給ふ.

ないし この にょにん みちを ゆくときは この ぼさつを みちを ゆき たまう.
乃至 此の 女人・道を 行く時は 此の 菩薩も 道を 行き 給ふ、.

たとえば かげと みと みずと うおと こえと ひびきと つきと ひかりとの ごとし.
譬へば・かげと 身と 水と 魚と 声と ひびきと 月と 光との 如し、.

この 4だいぼさつ なんみょうほうれんげきょうと となえ たてまつる にょにんを はなるる ならば.
此の 四大菩薩 南無妙法蓮華経と 唱え たてまつる 女人を はなるる ならば・.

しゃか たほう じっぽうぶんしんの しょぶつの ごかんきを この ぼさつの みに こうむらせ たまうべし.
釈迦・多宝・十方分身の 諸仏の 御勘気を 此の 菩薩の 身に 蒙らせ 給うべし、.

だいば よりも つみ ふかく くぎゃり よりも だいもうごの もの たるべしと おぼしめす べし.
提婆 よりも 罪 深く 瞿迦利 よりも 大妄語の もの たるべしと・をぼしめす べし、.

あら よろこばしや あら よろこばしや.
あら 悦ばしや・あら 悦ばしや、.

なんみょうほうれんげきょう なんみょうほうれんげきょう.
南無妙法蓮華経・南無妙法蓮華経。.

にちれん かおう.
日蓮 花押.

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