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阿仏房御返事(あぶつぼう ごへんじ).
日蓮大 聖人 56歳御作.

 

あぶつぼう ごへんじ.
阿仏房 御返事.

ごじょうの むね いらい うけたまわり そうらい おわんぬ.
御状の 旨・  委細 承り 候い 了んぬ、.

だいかくせそん といて いわく.
大覚世尊 説いて 曰く.

「しょうろうびょうし しょうじゅういめつ」とう うんぬん.
「生老病死・  生住異滅」等 云云、.

すでに しょうを うけて とし 6じゅんに およぶ ろう また うたがい なし.
既に 生を 受けて 齢 六旬に 及ぶ 老 又 疑い 無し.

ただ のこる  ところは びょうしの 2く なる のみ.
只 残る  所は 病死の 二句 なる のみ、.

しかるに しょうがつ より こんげつ 6がつ ついたちに いたり.
然るに 正月 より 今月 六月 一日に 至り.

れんれん この やまい やむこと なし.
連連 此の 病 息むこと 無し.

しぬる こと うたがい なき ものか.
死ぬる 事 疑い 無き 者か、.

きょうに いわく「しょうめつめっち じゃくめついらく」うんぬん.
経に 云く「生滅滅已・  寂滅為楽」云云、.

いまは どくしんを すてて のちに こんじんを うければ あに なげく べけんや.
今は 毒身を 棄てて 後に 金身を 受ければ 豈 歎く べけんや。.

けんじ 3ねん ひのとうし 6がつ みっか.
建治 三年 丁丑 六月 三日.

にちれん かおう.
日蓮 花押.

あぶつぼう.
阿仏房.

 
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