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遠藤左衛門尉御書 (えんどうさえもんのじょう ごしょ).
日蓮大聖人 53歳 御作.

 

えんどう さえもんのじょう ごしょ.
遠藤 左衛門尉 御書.

にちれん このたび しゃめんを こうむり かまくらへ のぼるにて そうろう.
日蓮 此の度 赦免を 被むり 鎌倉へ 登るにて 候.

にょがしゃく しょがん こんじゃ いまんぞく.
如我昔 所願 今者 已満足.

この としに あたるか.
此の 年に 当るか.

えんどうどの おんはぐくみ なくんば いのち ながらう べしや.
遠藤殿 御育み 無くんば 命 永らう 可しや.

また しゃめんにも あずかる べしや.
亦 赦免にも 預かる 可しや.

にちれん いちだいの ぎょうこうは ひとえに さえもんどのら あそばし そうろう ところなり.
日蓮 一代の 行功は 偏に 左衛門殿等 遊し 候 処なり.

おんきょうに 「てんしょどうじ もって きゅうじを なし.
御経に 「天諸童子 以て 給使を 為し.

とうじょうも くわえず どくも がいする こと あたわず」と そうらえば.
刀杖も 加えず 毒も 害する こと 能はず」と 候得ば.

ありがたき おんきょう なるかな.
有難き 御経 なるかな.

されば さえもんどのは ぼんてん たいしゃくの おんつかいにて ましますか.
然ば 左衛門殿は 梵天 釈天の 御使にて ましますか.

りょうぜんえの けいやくに この はんを さいらせ そうろう.
霊山えの 契約に 此の 判を 参せ 候.

いちりゅうは みらいへ もたせ たまえ.
一流は 未来え 持せ 給え.

りょうぜんに おいて にちれん にちれんと よびたまえ.
霊山に 於て 日蓮 日蓮と 呼び給え.

この とき おんむかえに まかり いずべく そうろう.
其の 時 御迎えに 罷り 出ず可く 候.

なお また かまくらより もうし まいらすべく そうろうなり.
猶 又 鎌倉より 申し 進す可く 候なり.

ぶんえい 11 いのえいぬ 3がつ 12にち.
文永 十一 甲戌 三月 十二日.

にちれん.
日蓮.

えんどう さえもんのじょう どの.
遠藤 左衛門尉 殿.

 
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