b1457.
高橋殿御返事 (たかはしどの ごへんじ).
日蓮大聖人 54歳 御作.

 

たかはしどの ごへんじ.
高橋殿 御返事.

けんじ がんねん 7がつ 54さい おんさく.
建治 元年 七月 五十四歳 御作.

うり ひとこ ささげひげ こえだまめ ねいも こうのうり たび そうらい おわんぬ.
瓜 一篭 ささげひげ こえだまめ 根芋 かうのうり 給び 候い 畢んぬ.

ふほうぞうきょうと もうす きょうには.
付法蔵経と 申す 経には.

いさごの もちいを ほとけに くようし まいらせし わらべは.
いさごの もちゐを 仏に 供養し まいらせし 童は.

ひゃくねんと もうせしに いちえんぶだいの 4ぶんが 1の おうと なる.
百年と 申せしに 一閻浮提の 四分が 一の 王と なる.

いわゆる あそかだいおう これなり.
所謂 阿育大王 これなり.

ほけきょうの ほっしほんには においっこうちゅうと もうして.
法華経の 法師品には 而於一劫中と 申して.

いっこうが あいだ しゃかぶつを しゅじゅに くようせる ひとの くどくと.
一劫が 間 釈迦仏を 種種に 供養せる 人の 功徳と.

まつだいの ほけきょうの ぎょうじゃを しゅゆも くようせる くどくと たくらべ そうろうに.
末代の 法華経の 行者を 須臾も 供養せる 功徳と たくらべ 候に.

その ふく また かれに すぐと もうして.
其 福 復 彼に 過ぐと 申して.

ほけきょうの ぎょうじゃを くようする くどく すぐれたり.
法華経の 行者を 供養する 功徳 すぐれたり.

これを みょうらくだいし しゃくして いわく.
これを 妙楽大師 釈して 云く.

「くよう すること あらん ものは ふくじゅうごうに すぐ」と うんぬん.
「供養 すること 有らん 者は 福十号に 過ぐ」と 云云.

されば ほとけを くようする くどく よりも すぐれて そうろう なれば.
されば 仏を 供養する 功徳 よりも すぐれて 候 なれば.

ほとけに ならせ たまわん こと うたがいなし.
仏に ならせ 給はん 事 疑いなし.

そのうえ にょにんの おんみとして あまと ならせ たまいて そうろうなり.
其の上 女人の 御身として 尼と ならせ 給いて 候なり.

いよいよ もうすに およばず.
いよいよ 申すに 及ばず.

ただし さだめて ねんぶつしゃにてや おわすらん.
但し さだめて 念仏者にてや をはすらん.

とうじの ねんぶつしゃ じさいは くにを ほろぼし.
たうじの 念仏者 持斎は 国を ほろぼし.

たこくの なんを まねく ものにて そうろう.
他国の 難を まねく ものにて 候.

にほんこくの ひとびとは ひとりも なく にちれんが かたきと なり そうらいぬ.
日本国の 人人は 一人も なく 日蓮が かたきと なり 候いぬ.

ぼんてん たいしゃく にちがつ してんの せめを かおりて.
梵王 帝釈 日月 四天の せめを かほりて.

とうじの ゆき つしまの ように なり そうらわん ずるに.
たうじの ゆき つしまの やうに なり 候はん ずるに.

いかが せさせ たもうべき いかが せさせ たもうべき.
いかが せさせ 給うべき いかが せさせ 給うべき.

なによりも にゅうどうどのの ごしょろう なげき いって そうろう.
なによりも 入道殿の 御所労 なげき 入つて 候.

しばらく いきさせ たまいて ほけきょうを ぼうずる よのなか ごらんあれと そうらえ.
しばらく いきさせ 給いて 法華経を 謗ずる 世の中 御覧 あれと 候へ.

にほんこくの ひとびとは だいたいは いけどりに せられ そうらわんずる なり.
日本国の 人人は 大体は いけどりに せられ 候はんずる なり.

にちれんを 2どまで ながし.
日蓮を 二度まで ながし.

ほけきょうの 5のまきを もって こうべを うち そうらしは こり そうらわんずらん.
法華経の 五の巻を もて かうべを 打ち 候いしは こり 候はんずらむ.

しちがつ 26にち.
七月 二十六日.

にちれん かおう.
日蓮 花押.

ごへんじ.
御返事.

 
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