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高橋殿御返事 (たかはしどの ごへんじ).
御述作年月は不明.

 

たかはしどの ごへんじ.
高橋殿 御返事.

べいこくも またまた かくの ごとし.
米穀も 又又 かくの 如し.

おなじ べいこく なれども ほうぼうの ものを やしなうは ぶっしゅを たつ.
同じ 米穀 なれども 謗法の 者を やしなうは 仏種を たつ.

いのちを ついで いよいよ ごうじょうの てきじんと なる.
命を ついで 弥弥 強盛の 敵人と なる.

また いのちを たすけて ついに ほけきょうを ひきいるべき ゆえか.
又 命を たすけて 終に 法華経を 引き入るべき 故か.

また ほっけの ぎょうじゃを やしなうは.
又 法華の 行者を やしなうは.

じひの なかの だいじひの べいこく なるべし.
慈悲の 中の 大慈悲の 米穀 なるべし.

いっさいしゅじょうを りやく する なればなり.
一切衆生を 利益 する なればなり.

ゆえに ぶっしゃり へんじて こめと なるとは これ なるべし.
故に 仏舎利 変じて 米と 成るとは 是 なるべし.

かかる いまじぶん ひとを これまで つかわし たもう こと.
かかる 今時分 人を これまで つかはし 給う 事.

うれしさ もうす ばかりなし.
うれしさ 申す ばかりなし.

しゃかぶつ じゆのぼさつ おんみに いり かわらせ たもうか.
釈迦仏 地涌の菩薩 御身に 入り かはらせ 給うか.

その くにの ぶっぽうは きへんに まかせ たてまつり そうろうぞ.
其の 国の 仏法は 貴辺に まかせ たてまつり 候ぞ.

ぶっしゅは えんに よって おこる.
仏種は 縁に 従つて 起る.

この ゆえに いちじょうを とく なるべし.
是の 故に 一乗を 説く なるべし.

また じぶぼう しもつけぼうら きたり そうらわば.
又 治部房 下野房等 来り 候はば.

いそぎ いそぎ つかわすべく そうろう.
いそぎ いそぎ つかはすべく 候.

まつのどのにも けんざん そうらわば くわしく かたらせ たまえ.
松野殿にも 見参 候はば くはしく かたらせ 給へ.

 
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