b1482.
妙心尼御前御返事 (みょうしんあまごぜんごへんじ)
別名、相思樹御書 (そうしじゅ ごしょ).
日蓮大 聖人 58歳 御作.

 

みょうしんあまごぜん ごへんじ.
妙心尼御前 御返事.

こうあん 2ねん 11がつ 58さい おんさく.
弘安 二年 十一月 五十八歳 御作.

ごそうぜんりょう おくり たまい おわんぬ.
御そうぜんれう 送り 給い 了んぬ、.

すでに こ にゅうどうどのの かくるる ひにて おわしけるが.
すでに 故 入道殿の かくるる 日にて・ おはしけるか、.

とこう まぎれ そうろう.
とかう・ まぎれ 候.

いける ほどに うち わすれて そうらいける なり.
いける ほどに・ うち わすれて 候いける なり、.

よも それには わすれ たまわじ.
よも それには わすれ 給はじ。.

そぶと もうせし おとこは かんおうの おんつかいに ここくと もうす くにに いりて.
蘇武と 申せし 男は 漢王の 御使に 胡国と 申す 国に 入りて.

19ねん めも おとこを はなれ おとこも わするる ことなし.
十九年 めも おとこを はなれ・ おとこも わするる 事なし、.

あまりの こいしさに おとこの ころもを あきごとに.
あまりの こひしさに・ おとこの 衣を 秋ごとに.

きぬたの うえにて うちけるが おもいや とおりて ゆきにけん.
きぬたの うへにて・ うちけるが・ おもひや とをりて・ ゆきにけん・.

おとこの みみに きこえたり.
おとこの みみに きこへたり、.

ちんしと いいしものは め おとこ はなれけるに.
ちんしと いいしものは・ め おとこ・ はなれけるに・.

かがみを わりて ひとつづつ とりにけり.
かがみを わりて・ ひとつづつ・ とりにけり、.

わするる ときは とり とび さりけり.
わするる 時は とり とび 去りけり、.

そうしと いいしものは おとこを こいて はかに いたりて きと なりぬ.
さうしと いゐしものは・ おとこを こひて はかに いたりて 木と なりぬ、.

そうしじゅと もうすは この き なり.
相思樹と 申すは この 木 なり、.

だいとうへ わたるに しがのみょうじんと もうす かみ おわす.
大唐へ わたるに しがの明神と 申す 神 をはす・.

おとこの もろこしへ ゆきしを こいて かみと なれり.
おとこの 唐へ・ ゆきしを こひて 神と なれり・.

しまの すがた おうなに にたり.
島の すがた おうなに にたり、.

まつらさよひめと いう これなり.
まつらさよひめと いふ 是なり、.

いにしえより いまに いたるまで.
いにしへより・ いまに いたるまで.

おやこの わかれ しゅじゅうの わかれ いずれか つらからざる.
をやこの わかれ 主従の わかれ・ いづれか つらからざる、.

されども おとこ おんなの わかれほど たっとげ なかりけるは なし.
されども・ おとこ をんなの わかれほど・ たとげ なかりけるは なし、.

かこ おんのんより おんなの みと なりしが.
過去 遠遠より 女の 身と なりしが・.

この おとこ しゃば さいごの ぜんちしき なりけり.
この おとこ 娑婆 最後の ぜんちしき なりけり。.

ちりし はな おちし このみも さき むすぶ いかに こひとの かえらざるらむ.
散し 花・ をちし 木実も・ さき むすぶ・ いかに こ人の・ 返らざるらむ。.

こぞもうく ことしも つらき つきひ かな おもいは いつも はれぬもの ゆえ.
こぞも 憂く・ ことしも つらき・ 月日 かな・ おもひは いつも・ はれぬもの ゆへ。.

ほけきょうの だいもくを となえ まいらせて まいらせ そうろう.
法華経の 題目を・ となへ まいらせて・ まいらせ 候。.

11がつ ふつか.
十一月 二日.

にちれん かおう.
日蓮 花押.

みょうしんあまごぜん ごへんじ.
妙心尼御前 御返事.

 
→a1482
→c1482
 ホームページトップ
inserted by FC2 system