うえのどの ごへんじ.
上野殿 御返事.
むしもち 60まい せいしゅ ひとつつ やまのいも ごじっぽん.
十字 六十枚・ 清酒 一筒・ 薯蕷 五十本・.
こうじ 20 くしがき いちれん おくりたび そうらい おわんぬ.
柑子 二十・ 串柿 一連・ 送り給び 候い 畢んぬ、.
ほけきょうの ごほうぜんに かざり まいらせ そうろう.
法華経の 御宝前に かざり 進らせ 候、.
はるの はじめ みっか しゅじゅの もの.
春の 始め 三日 種種の 物・.
ほけきょうの ごほうぜんに ささげ そうらい おわんぬ.
法華経の 御宝前に 捧げ 候い 畢んぬ。.
はなは ひらいて このみと なり つきは いでて かならず みち.
花は 開いて 果と なり・ 月は 出でて 必ず みち・.
ともしびは あぶらを させば ひかりを まし そうもくは あめ ふれば さかう.
燈は 油を させば 光を 増し・ 草木は 雨ふれば さかう・.
ひとは ぜんこんを なせば かならず さかう.
人は 善根を なせば 必ず さかう、.
そのうえ がんざんの おんこころざし がんじつにも こえ.
其の上 元三の 御志 元一にも 超へ、.
むしもちの もち まんげつの ごとし.
十字の 餅・ 満月の 如し、.
ことごと またまた もうすべく そうろう.
事事 又又 申すべく 候。.
こうあん 3ねん かのえたつ しょうがつ 11にち.
弘安 三年 庚辰 正月 十一日.
にちれん かおう.
日蓮 花押.
うえのどの.
上野殿. |
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