b1584.
大白牛車御消息 (だいびゃくごしゃ ごしょうそく).
日蓮大 聖人 60歳 御作.

 

だいびゃくごしゃ ごしょうそく.
大白牛車 御消息.

そもそも ほけきょうの だいびゃくごしゃと もうすは.
抑 法華経の 大白牛車と 申すは.

われも ひとも ほけきょうの ぎょうじゃの のるべき くるまにて そうろうなり.
我も 人も 法華経の 行者の 乗るべき 車にて 候なり、.

かの くるまをば ほけきょうの ひゆほんと もうすに ねんごろに とかせ たまいて そうろう.
彼の 車をば 法華経の 譬喩品と 申すに 懇に 説かせ 給いて 候、.

ただし かの おんきょうは らじゅう ぞんりゃくの ゆえに くわしくは とき たまわず.
但し 彼の 御経は 羅什・ 存略の 故に 委しくは 説き 給はず、.

てんじくの ぼんぽんには くるまの かざりもの.
天竺の 梵品には 車の 荘り物・.

その ほか もんしんかいじょうしんしゃざんの しちほうまで くわしく とき たまいて そうろうを.
其の 外・ 聞信戒定進捨慚の 七宝まで 委しく 説き 給ひて 候を.

にちれん あらあら ひけんに および そうろう.
日蓮 あらあら 披見に 及び 候、.

まず この くるまと もうすは じゅうこう 500ゆじゅんの くるまにして.
先ず 此の 車と 申すは 縦広 五百由旬の 車にして.

こがねの わを いれ しろがねの むなぎを あげ.
金の 輪を 入れ・ 銀の 棟を あげ・.

こがねの なわを もって はっぽうへ つりなわを つけ.
金の 繩を 以て 八方 へつり 繩を つけ・.

さんじゅう ななじゅうの きだはしをば しろがねを もって みがきたて.
三十 七重の きだはしをば 銀を 以て みがきたて・.

8400の たからの すずを くるまの しめんに かけられたり.
八万四千の 宝の 鈴を 車の 四面に 懸けられたり、.

360ながれの くれないの にしきの はたを ぎょくの さおに かけながし.
三百六十ながれの・ くれなひの 錦の 旛を 玉の さほに かけながし、.

42000の らんかんには してんのうの ばんを つけ.
四万二千の 欄干には 四天王の 番を つけ、.

また くるまの うちには 69380よたいの ほとけ.
又 車の 内には 六万九千三百八十余体の 仏・.

ぼさつ ほうれんげに ざし たまえり.
菩薩・ 宝蓮華に 坐し 給へり、.

たいしゃくは もろもろの けんぞくを ひきつれ たまいて 1200の おんがくを そうし.
帝釈は 諸の 眷属を 引きつれ 給ひて 千二百の 音楽を 奏し、.

ぼんおうは てんがいを さしかけ.
梵王は 天蓋を 指し懸け・.

ちじんは さんが だいちを びょうどうに なし たもう.
地神は 山河・ 大地を 平等に 成し 給ふ、.

ゆえに ほっしょうの そらに じざいに とびゆく くるまを こそ.
故に 法性の 空に 自在に とびゆく 車を こそ・.

だいびゃくごしゃとは もうすなれ.
大白牛車とは 申すなれ、.

われより のちに きたり たまわん ひとびとは この くるまに めされて.
我より 後に 来り 給はん 人人は 此の 車に めされて.

りょうぜんへ おんいで あるべく そうろう.
霊山へ 御出で 有るべく 候、.

にちれんも おなじ くるまに のりて おんむかいに まかり むかうべく そうろう.
日蓮も 同じ 車に 乗りて 御迎いに まかり 向ふべく 候、.

なんみょうほうれんげきょう なんみょうほうれんげきょう.
南無妙法蓮華経・ 南無妙法蓮華経。.

にちれん かおう.
日蓮 花押.

 
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