b170.
宿屋左衛門光則への御状 (やどやさえもんみつのりへの ごじょう).
別名、十一御書.
日蓮大 聖人 47歳御作.


 
やどや さえもん みつのりへの ごじょう.
宿屋 左衛門 光則への 御状.

せんねん かんがえ たるの しょ あんこくろんに ふごうせるに ついて.
先年 勘え たるの 書 安国論に 普合せるに 就て.

ごんじょう せしめ そうらい おわんぬ.
言上 せしめ 候い 畢んぬ.

そもそも しょうがつ 18にち さいじゅう だいもうここくより ちょうじょう とうらいすと.
抑 正月 十八日 西戎 大蒙古国より 牒状 到来すと.

これを もって これを あんずるに にちれんは しょうにんの 1ぶんに あたり そうろうか.
之を 以て 之を 按ずるに 日蓮は 聖人の 一分に 当り 候か.

しかりと いえども いまだ おたずねに あずからず そうろうの あいだ かさねて かんじょうを ささぐ.
然りと 雖も 未だ 御尋に 予らず 候の 間 重ねて 諌状を 捧ぐ.

ねがわくば ごきえの じそうを ていし せられ よろしく ほけきょうに きせしむべし.
希くば 御帰依の 寺僧を 停止 せられ 宜しく 法華経に 帰せしむべし.

もし しからずんば こうかい なんぞ おわん. 
若し 然らずんば 後悔 何ぞ 追わん.

この おもむきを もって 11しょに もうせしめ そうろう なり.
此の 趣を 以て 十一所に 申せしめ 候 なり.

さだめて ごひょうぎ ある べく そうろうか.
定めて 御評議 有る 可く 候か.

ひとえに きでんを あおぎ たてまつる.
偏に 貴殿を 仰ぎ 奉る.

はやく にちれんが ほんもうを とげしめ たまえ.
早く 日蓮が 本望を 遂げしめ 給え.

11かしょと もうすは  へいの さえもんのじょうどのに もうせしむる ところなり.
十一箇所と 申すは 平の 左衛門尉殿に 申せしむる 所なり.

いしつ もうしたく そうろうと いえども.
委悉 申し度く 候と 雖も.

じょうしょ ふんみょうなる あいだ しょうりゃく せしめ そうろう.
上書 分明なる 間 省略 せしめ 候.

ごきしょくを もって ごひろう しょき せしむる ところに そうろう.
御気色を 以て 御披露 庶幾 せしむる 所に 候.

きょうきょう きんげん.
恐恐 謹言.

ぶんえい 5ねん つちのえたつ 10がつ 11にち.
文永 五年 戊辰 十月 十一日.

にちれん かおう.
日蓮  花押.

きんじょう やどや にゅうどうどの.
謹上  宿屋 入道殿.

 
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