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平左衛門尉頼綱への御状 (へいのさえもんのじょうよりつなへの ごじょう).
別名、十一通御書.
日蓮大 聖人 47歳御作.


 
へいの さえもんのじょう よりつなへの ごじょう.
平 左衛門尉 頼綱への 御状.

もうここくの ちょうじょう とうらいに ついて ごんじょう せしめ そうらい おわんぬ.
蒙古国の 牒状 到来に 就いて 言上 せしめ 候い 畢んぬ.

そもそも せんねん にちれん りっしょうあんこくろんに これを かんがえたるが ごとく.
抑 先年 日蓮 立正安国論に 之を 勘えたるが 如く.

すこしも たがわず ふごう せしむ. 
少しも 違わず 普合 せしむ.

しかる あいだ かさねて そじょうを もって しゅううつを ひらかんと ほっす.
然る 間 重ねて 訴状を 以て 愁欝を 発かんと 欲す.

ここを もって かんきを こうぜんに とばし そうげきを しごに たつ.
爰を 以て 諌旗を 公前に 飛ばし 争戟を 私後に 立つ.

あわせながら きでんは いってんの おくりょう なり ばんみんの てあし なり.
併ながら 貴殿は 一天の 屋梁 為り 万民の 手足 為り.

いかでか この くに めつぼうの ことを なげか ざらんや つつしま ざらんや.
争でか 此の 国 滅亡の 事を 歎か ざらんや 慎ま ざらんや.

はやく すべからく たいじを くわえて ほうぼうの とがを せいすべし.
早く 須く 退治を 加えて 謗法の 咎を 制すべし.

それ おもんみれば 1じょう みょうほうれんげきょうは しょぶつ しょうかくの ごくり.
夫れ 以れば 一乗 妙法蓮華経は 諸仏 正覚の 極理.

しょてん ぜんじんの いしょくなり.
諸天 善神の 威食なり.

これを しんじゅ するに おいては なんぞ 7なん きたり 3さい おこらんや.
之を 信受 するに 於ては 何ぞ 七難 来り 三災 興らんや.

あまつさえ この ことを もうす にちれんをば るざい せらる.
剰え 此の 事を 申す 日蓮をば 流罪 せらる.

いかでか にちげつ せいしゅく ばちを くわえ ざらんや.
争でか 日月 星宿 罰を 加え ざらんや.

しょうとく たいしは もりやの あくを たおして ぶっぽうを おこし.
聖徳 太子は 守屋の 悪を 倒して 仏法を 興し.

ひでさとは まさかどを くじいて なを こうだいに とどむ.
秀郷は 将門を 挫いて 名を 後代に 留む.

しからば ほけきょうの ごうてき なる ごきえの じそうを たいじして.
然らば 法華経の 強敵 為る 御帰依の 寺僧を 退治して.

よろしく ぜんじんの おうごを こうむるべき ものなり.
宜く 善神の 擁護を 蒙るべき 者なり.

ごしきもくを みるに ひきょを せいし すること ふんみょうなり.
御式目を 見るに 非拠を 制止 すること 分明なり.

いかでか にちれんが しゅうそに おいては おん もちい なからん.
争でか 日蓮が 愁訴に 於ては 御 叙い 無らん.

あに ごきしょうの もんを やぶるに あらずや.
豈 御起請の 文を 破るに 非ずや.

この おもむきを もって かたがたへ ぐじょうを まいらす.
此の 趣を 以て 方方へ 愚状を 進らす.

いわゆる かまくらどの やどや にゅうどうどの けんちょうじ じゅふくじ ごくらくじ.
所謂 鎌倉殿 宿屋 入道殿 建長寺 寿福寺 極楽寺.

だいぶつでん ちょうらくじ たほうじ じょうこうみょうじ やげんたどの.
大仏殿 長楽寺 多宝寺 浄光明寺 弥源太殿.

ならびに このじょう あわせ 11かしょ なり.
並びに 此の状 合せ 十一箇所 なり.

おのおの ごひょうぎ あって すみやかに ごほうに あずかるべく そうろう.
各各 御評議 有つて 速かに 御報に 預るべく 候.

もし しからば べんかが あらたま みがいて たまと なり.
若し 爾らば 卞和が 璞 磨いて 玉と 成り.

ほうおう けいちゅうの みょうしゅ このときに あらわれんのみ.
法王 髻中の 明珠 此の時に 顕れんのみ.

まったく みのために これを もうさず.
全く 身の為に 之を 申さず.

かみの ため きみの ため くにの ため いっさいしゅじょうの ために.
神の 為 君の 為 国の 為 一切衆生の 為に.

ごんじょう せしむるの ところなり  くだんの ごとし.
言上 せしむるの 処なり 件の 如し.

きょうきょう きんげん.
恐恐 謹言.

ぶんえい 5ねん つちのえたつ 10がつ 11にち.
文永 五年 戊辰 十月 十一日.

にちれん かおう.
日蓮 花押.

へいの さえもんのじょう どの.
平 左衛門尉 殿.

 
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