b174-2.
大仏殿別当への御状 (だいぶつでんべっとうへの ごじょう).
別名、十一通御書.
日蓮大 聖人 47歳御作


 
だいぶつでん べっとう への ごじょう.
大仏殿 別当 への 御状.

さる しょうがつ 18にち さいじゅう.
去る 正月 十八日 西戎.

だいもうここくより ちょうじょう とうらいし そうらい おわんぬ.
大蒙古国より 牒状 到来し 候い 畢んぬ.

そのじょうに いわく だいもう ここく こうてい にほん こくおうに しょを たてまつる.
其の状に 云く 大蒙 古国 皇帝 日本 国王に 書を 上る.

だいどうの おこなわるる その ぎ ばくたり.
大道の 行わるる 其の 義 邈たり.

しんを かまえ むつみを しゅうす.
信を 構え 睦を 修す.

その ことわり なんぞ ことならん.
其の 理 何ぞ 異ならん.

ないし しげん3ねん ひのえとら しょうがつにちと みぎ この じょうの ごとくんば.
乃至 至元三年 丙寅 正月日と 右 此の 状の 如くんば.

へんちょうに よって にほんこくを おそう べきの よし ふんみょうなり.
返牒に 依つて 日本国を 襲う 可きの 由 分明なり.

にちれん かねて かんがえ もうせし りっしょう あんこくろんに すこしも そういせず.
日蓮 兼ねて 勘え 申せし 立正 安国論に 少しも 相違せず.

すみやかに たいじを くわえ たまえ.
急かに 退治を 加え 給.

しかれば にちれんを おいて これを かなう べからず.
然れば 日蓮を 放て 之を 叶う 可からず.

はやく がまんを たおして にちれんに きすべし.
早く 我慢を 倒して 日蓮に 帰すべし.

こんじょう むなしく すぎなば こうかい なんぞ おわん.
今生 空しく 過ぎなば 後悔 何ぞ 追わん.

くわしく これを しるすこと あたわず このおもむき かたがたへ もうせしめ そうろう.
委しく 之を 記すこと 能わず 此の趣 方方へ 申せしめ 候.

いっしょに しゅうじゅうして ごちょうぶく ある べく そうろうか.
一処に 聚集して 御調伏 有る 可く 候か.

ぶんえい 5ねん 10がつ 11にち.
文永 五年 十月 十一日.

にちれん かおう.
日 蓮  花 押.

きんじょう だいぶつでん べっとう ごぼう.
謹上 大仏殿 別当 御房.

 
→a174-2
→c169-2~176
ホームページトップ 
inserted by FC2 system