b175.
寿福寺への御状 (じゅふくじへの ごじょう).
別名、十一通御書.
日蓮大 聖人 47歳御作.


 
じゅふくじ への ごじょう.
寿福寺への 御状.

ふうぶんの ごとくんば もうここくの かんちょう いぬる しょうがつ 18にち.
風聞の 如くんば 蒙古国の 簡牒 去る 正月 十八日.

たしかに とうらい そうらい おわんぬ.
慥に 到来 候い 畢んぬ.

しかれば せんねん にちれんが かんがえし しょの りっしょうあんこくろんの ごとく ふごう せしむ.
然れば 先年 日蓮が 勘えし 書の 立正 安国論の 如く 普合 せしむ.

おそらくは にちれんは みぼうを しるもの なるか.
恐くは 日蓮は 未萠を 知る者 なるか.

これを もって これを あんずるに.
之を 以て 之を 按ずるに.

ねんぶつ しんごん ぜん りつとうの あくほう いってんに じゅうまんして じょうげの しと なるの ゆえに.
念仏 真言 禅 律等の 悪法 一天に 充満して 上下の 師と 為るの 故に.

かくの ごとき たこく しんぴつの なん おこれる なり.
此の 如き 他国 侵逼の 難 起れる なり.

ほっけ ふしんの とがに よって みな 1どうに ごしょうは むけん じこくに だす べし.
法華 不信の 失に 依つて 皆 一同に 後生は 無間 地獄に 堕す 可し.

はやく じゃけんを ひるがえし だるまの ほうを すてて.
早く 邪見を 翻し 達磨の 法を 捨てて.

1じょう しょうほうに きせしむ べし.
一乗 正法に 帰せしむ 可し.

しかる あいだ かたがたへ ひろう せしめ そうろうの ところなり.
然る 間 方方へ 披露 せしめ 候の 処なり.

はやばや いっしょに あつまりて ごひょうぎ あるべく そうろう.
早早 一処に 集りて 御評議 有る可く 候.

くわしくは たいけつの ときを きす.
委くは 対決の 時を 期す.

きょうきょう きんげん.
恐恐 謹言.

ぶんえい 5ねん 10がつ 11日.
文永 五年 十月 十一日.

にちれん かおう.
日蓮  花押.

きんじょう じゅふくじ じしおん ちゅう.
謹上  寿福寺 侍司 御中.

 
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