b177.
弟子檀那中(でしだんなちゅう)への御状.
日蓮大 聖人 47歳御作.


 
でし だんな ちゅうへの ごじょう.
弟子 檀那 中への 御状.

だい もうここくの かんちょう とうらいに おいて 11つうの しょじょうを もって かたがたへ もうせしめ そうろう.
大 蒙古国の 簡牒 到来に 就いて 十一通の 書状を 以て 方方へ 申せしめ 候.

さだめて にちれんが でし だんな るざい しざい いちじょう ならん.
定めて 日蓮が 弟子 檀那 流罪 死罪 一定 ならん.

すこしも これを おどろくこと なかれ.
少しも 之を 驚くこと 莫れ.

かたがたへの ごうげん もうすに およばず これ あわせながら にごう どくしの ゆえなり.
方方への 強言 申すに 及ばず 是 併ながら 而強 毒之の 故なり.

にちれん しょき せしむる ところに そうろう.
日蓮 庶幾 せしむる 所に 候.

おのおの ようじん ある べし.
各各 用心 有る 可し.

すこしも さいし けんぞくを おもう こと なかれ.
少しも 妻子 眷属を 憶う こと 莫.

けんいを おそるる こと なかれ.
権威を 恐るる こと 莫れ.

こんど しょうじの ばくを きって ぶっかを とげしめ たまえ.
今度 生死の 縛を 切つて 仏果を 遂げしめ 給え.

かまくらどの やどやにゅうどう へいの さえもんのじょう やげんた.
鎌倉殿 宿屋入道 平の 左衛門尉 弥源太.

けんちょうじ じゅふくじ ごくらくじ たほうじ じょうきょうみょうじ だいぶつでん ちょうらくじ.
建長寺 寿福寺 極楽寺 多宝寺 浄光明寺 大仏殿 長楽寺.

いじょう 11かしょ.
已上 十一箇所.

よって 11つうの じょうを しょして かんそ せしめ そうらい おわんぬ.
仍つて 十一通の 状を 書して 諌訴 せしめ 候い 畢んぬ.

さだめて しさい ある べし.
定めて 子細 有る 可し.

にちれんが ところに きたりて しょじょう とう ひけん せしめ たまえ.
日蓮が 所に 来りて 書状 等 披見 せしめ 給え.

きょうきょう きんげん.
恐恐 謹言.

ぶんえい 5ねん つちのえ たつ 10がつ 11にち.
文永 五年 戊 辰 十月 十一日.

にちれん かおう.
日蓮 花押.

にちれん でし だんな ちゅう.
日蓮 弟子 檀那 中.

 
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