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可延定業書(かえん じょうごうしょ).
日蓮大 聖人 56歳 御作.

 

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かえん じょうごう しょ.
可延 定業 書.

こうあん 2ねん 58さい おんさく.
弘安 二年 五十八歳 御作.

あたう ときじょうにん つま.
与 富木常忍 妻.

それ やまいに 2 あり.
夫れ 病に 二 あり.

1には けいびょう 2には じゅうびょう.
一には 軽病 二には 重病・.

じゅうびょう すら ぜんいに あって いそぎに たいじ すれば いのち なお そんす.
重病 すら 善医に 値うて 急に 対治 すれば 命 猶 存す.

いかに いわんや けいびょう をや.
何に 況や 軽病 をや、.

ごうに 2 あり.
業に 二 あり.

1には じょうごう 2には ふじょうごう.
一には 定業 二には 不定業、.

じょうごうすら よくよく ざんげ すれば かならず しょうめつ す.
定業すら 能く能く 懺悔 すれば 必ず 消滅 す.

いかに いわんや ふじょうごう をや.
何に 況や 不定業 をや、.

ほけきょう だい7に いわく.
法華経 第七に 云く.

「この きょうは そく これ えんぶだいの ひとの やまいの りょうやく なり」とう うんぬん.
「此の 経は 則 為 閻浮提の 人の 病の 良薬 なり」等 云云、.

この きょうもんは ほけきょうの もん なり.
此の 経文は 法華経の 文 なり、.

いちだいの しょうきょうは みな にょらいの きんげん.
一代の 聖教は 皆 如来の 金言・.

むりょうこう より いらい ふもうごの ことば なり.
無量劫 より 已来 不妄語の 言なり、.

なかんずく この ほけきょうは ほとけの しょうじき しゃほうべんと もうして しんじつが なかの しんじつ なり.
就中 此の 法華経は 仏の 正直捨方便と 申して 真実が 中の 真実 なり、.

たほう しょうめいを くわえ しょぶつ ぜっそうを そえ たもう.
多宝・ 証明を 加え 諸仏・ 舌相を 添え 給う.

いかでか むなしかるべき.
いかでか・ むなしかるべき、.

その うえ さいだいいちの ひじ はんべり.
其の 上 最第一の 秘事 はんべり.

この きょうもんは ご ごひゃくさい 2500よねんの とき.
此の 経文は 後 五百歳・ 二千五百余年の 時.

にょにんの やまい あらんと とかれて そうろう もん なり.
女人の 病 あらんと・ とかれて 候 文 なり、.

あじゃせおうは おんとし 50の 2がつ 15にちに だいあくそう みに しゅったい せり.
阿闍世王は 御年 五十の 二月 十五日に 大悪瘡・ 身に 出来 せり、.

だいい ぎばが ちからも およばず.
大医 耆婆が 力も 及ばず.

3がつ なのか かならず しして むけんだいじょうに おつ べかりき.
三月 七日 必ず 死して 無間大城に 堕つ べかりき、.

50よねんが あいだの だいらく いちじに めっして.
五十余年が 間の 大楽 一時に 滅して.

いっしょうの だいく 3 しちにちに あつまれり.
一生の 大苦・ 三 七日に あつまれり、.

じょうごう かぎり あり しかども ほとけ ほけきょうを かさねて えんぜつして.
定業 限り あり しかども 仏・ 法華経を かさねて 演説して.

ねはんきょうと なづけて だいおうに あたい たまい しかば.
涅槃経と なづけて 大王に あたい 給い しかば.

みの やまい たちまちに へいゆし.
身の 病・ 忽に 平愈し.

こころの じゅうざいも いちじに つゆと きえにき.
心の 重罪も 一時に 露と 消えにき、.

ほとけ めつご 1500よねん ちんしんと もうす ひと ありき.
仏 滅後 一千五百余年・ 陳臣と 申す 人 ありき.

いのち ちめいに ありと もうして 50ねんに さだまりて そうらいしが.
命 知命に ありと 申して 五十年に 定まりて 候いしが.

てんだいだいしに あいて 15ねんの いのちを のべて 65 まで おわしき.
天台大師に 値いて 十五年の 命を 宣べて 六十五 まで をはしき、.

その うえ ふきょうぼさつは きょうぞうじゅみょうと とかれて.
其の 上 不軽菩薩は 更増寿命と とかれて.

ほけきょうを ぎょうじて じょうごうを のべ たまいき.
法華経を 行じて 定業を のべ 給いき、.

かれらは みな だんし なり.
彼等は 皆 男子 なり.

にょにんには あらざれども ほけきょうを ぎょうじて いのちを のぶ.
女人には あらざれども 法華経を 行じて 寿を のぶ、.

また ちんしんは ご ごひゃくさい にも あたらず.
又 陳臣は 後 五百歳 にも あたらず.

ふゆの とうまい なつの きっかの ごとし.
冬の 稲米・ 夏の 菊花の ごとし、.

とうじの にょにんの ほけきょうを ぎょうじて じょうごうを てんずる ことは.
当時の 女人の 法華経を 行じて 定業を 転ずる ことは.

あきの とうまい ふゆの きっか.
秋の 稲米・ 冬の 菊花.

だれか おどろくべき.
誰か・ をどろくべき。.

されば にちれん ははを いのりて そうろう しかば.
されば 日蓮 悲母を いのりて 候 しかば.

げんしんに やまいを いやす のみならず 4かねんの じゅみょうを のべたり.
現身に 病を いやす のみならず 四箇年の 寿命を のべたり、.

いま にょにんの おんみとして やまいを みに うけさせ たまう.
今 女人の 御身として 病を 身に うけさせ 給う・.

こころみに ほけきょうの しんじんを たてて ごらん あるべし.
心みに 法華経の 信心を 立てて 御らむ あるべし、.

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しかも ぜんい あり.
しかも 善医 あり.

なかつかさ さえもんのじょうどのは ほけきょうの ぎょうじゃ なり.
中務 三郎左衛門尉殿は 法華経の 行者 なり、.

いのちと もうす ものは いっしん だいいちの ちんぽう なり.
命と 申す 物は 一身 第一の 珍宝 なり.

1にち なりとも これを のぶる ならば せんまんりょうの こがねにも すぎたり.
一日 なりとも・ これを 延る ならば 千万両の 金にも すぎたり、.

ほけきょうの いちだいの しょうきょうに ちょうかして いみじきと もうすは.
法華経の 一代の 聖教に 超過して いみじきと 申すは.

じゅりょうほんの ゆえぞかし.
寿量品の ゆへぞかし、.

えんぶ だい1の たいし なれども たんめい なれば くさ よりも かろし.
閻浮 第一の 太子 なれども 短命 なれば 草 よりも かろし、.

にちりんの ごとく なる ちしゃ なれども わかじに あれば いける いぬに おとる.
日輪の ごとく なる 智者 なれども 夭死 あれば 生 犬に 劣る、.

はやく こころざしの たからを かさねて いそぎ いそぎ ごたいじ あるべし.
早く 心ざしの 財を かさねて いそぎ いそぎ 御対治 あるべし、.

これよりも もうす べけれども ひとは もうすに よって よき ことも あり.
此れよりも 申す べけれども 人は 申すに よて 吉事も あり.

また わが こころざしの うすきかと おもう ものも あり.
又 我が 志の うすきかと・ をもう 者も あり.

ひとの こころ しりがたき うえ さきざきに しょうしょう かかる こと そうろう.
人の 心 しりがたき 上 先先に 少少 かかる 事 候、.

この ひとは ひとの もうせば すこそ こころえ ずげに おもう ひと なり.
此の 人は 人の 申せば 少そ 心へ ずげに 思う 人 なり、.

なかなか もうすは あしかりぬ べし.
なかなか 申すは あしかりぬ べし、.

ただ なこうども なく ひらなさけに.
但 なかうども なく・ ひらなさけに.

また こころも なく うち たのませ たまえ.
又 心も なく うち たのませ 給え、.

きょねんの 10がつ これに きたりて そうらいしが.
去年の 十月 これに 来りて 候いしが.

ごしょろうの ことを よくよく なげき もうせし なり.
御所労の 事を よくよく なげき 申せし なり、.

とうじ だいじの なければ おどろかせ たまわぬにや.
当事 大事の なければ・ をどろかせ 給わぬにや、.

みょうねん しょうがつ 2がつの ころおいは かならず おこるべしともうせ しかば.
明年 正月 二月の ころをひは 必ず をこるべしと 申せ しかば・.

これにも なげき いって そうろう.
これにも・ なげき 入つて 候。.

ときどのも この あまごぜんを こそ つえ はしらとも たのみ たるに なんど もうして そうらいし なり.
富木殿も 此の 尼ごぜんを こそ 杖 柱とも 恃 たるに なんど 申して 候いし なり.

ずいぶんに わび そうらいしぞ.
随分に わび 候いしぞ・.

きわめて まけじだましいの ひとにて わが かたの ことをば だいじともうす ひと なり.
きわめて・ まけじたましの 人にて 我が かたの 事をば 大事と 申す 人 なり、.

かえすがえす みの たからを だに おしませ たまわば この やまい いえがたかる べし.
かへすがへす 身の 財を だに・ をしませ 給わば 此の 病 治がたかる べし、.

1にちの いのちは 3000かいの たからにも すぎて そうろう なり.
一日の 命は 三千界の 財にも すぎて 候 なり.

まず おんこころざしを み みえへさせ たまうべし.
先ず 御志を み みへさせ 給うべし、.

ほけきょうの だい7の まきに 3000だいせんせかいの たからを くよう する よりも.
法華経の 第七の 巻に 三千大千世界の 財を 供養 する よりも.

ての ひとゆびを やきて ほとけ ほけきょうに くよう せよと とかれて そうろうは これなり.
手の 一指を 焼きて 仏・ 法華経に 供養 せよと・ とかれて 候は これなり、.

いのちは 3000にも すぎて そうろう.
命は 三千にも すぎて 候・.

しかも よわいも いまだ たけさせ たまわず.
而も 齢も いまだ・ たけさせ 給はず、.

しかして ほけきょうに あわせ たまいぬ.
而して 法華経に あわせ 給いぬ.

1にちも いきて おわせば くどく つもるべし.
一日も いきて をはせば 功徳 つもるべし、.

あら おしの いのちや おしの いのちや.
あら 惜しの 命や・ をしの 命や、.

おんせいめい ならびに おんとしを われと かかせ たまいて.
御姓名 並びに 御年を 我と かかせ 給いて・.

わざと つかわせ だいにちがってんに もうし あぐべし.
わざと・ つかわせ 大日月天に 申し あぐべし、.

いよどのも あながちに なげき そうらえば.
いよどのも あながちに なげき 候へば.

にちがってんに じがげを あて そうらわんずる なり きょうきょう.
日月天に 自我偈を あて 候はんずる なり、 恐恐。.

にちれん かおう.
日蓮 花押.

あまごぜんごへんじ.
尼ごぜん御返事.

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