c
1537.
上野殿御返事(うえのどの ごへんじ)
別名、梵帝御計事(ぼんたい おんはからいの こと) 背景と大意.

 
 
a
けんじ 3ねん (1277ねん) 5がつ 15にち、にちれんだいしょうにん 56さいの おんとき、なんじょうときみつに あたえられた ごしょ。
はくき、びんばしゃら、しゃくそんなどが うけた なんの れいを かかげられ、まっぽうの ほけきょうの ぎょうじゃは かならず なんにあい、でしにも はくがいが あるが、たいてんしては ならないとの ごしなんの しょである。

ごくかいせつ.
はくきとは、ちゅうごく こだいの けんじんで、ぎぼの さくりゃくで にゅうすい じさつを した。
びんばしゃらとは、いんど・まかだこくの おうで、あじゃせおうの ちち。
しゃくそんに きえし、ただいな くようをした おうで あったが、だいばだったの さくりゃくで、こである あじゃせおうに よって ゆうへい ごうもんされた。

いかに ほんしょうの とくちょうてきな ごもんを しめす。
「げどう あくにん くも かすみの ごとく あつまり(中略)ほとけの だいおんてきと なる」
「だいなんを もちてこそ ほけきょう しりたる ひととは もうす べき」
「このたび ほけきょうの ために いのちを すつる こと ならば なには おしかるべき」 
※「になは おしかるべき」とは、「なにを おしむことが あろうか」の いみ。



b
建治3年(1277年)5月15日、日蓮大聖人 56歳の御時、南条時光に与えられた御書。
伯奇(はくき)、頻婆沙羅(びんばしゃら)、釈尊等が受けた難の例を掲げられ、末法の法華経の行者は必ず難にあい、弟子にも迫害があるが、退転してはならないとのご指南の書である。

語句解説.
伯奇(はくき)とは、中国古代の賢人。義母の策略で入水自殺をした。
頻婆沙羅(びんばしゃら)は、インド・マカダ国の王で、阿闍世王(あじゃせおう)の父。釈尊に帰依し、多大な供養をした王であったが、提婆達多の策略で、子である阿闍世王によって幽閉・拷問された。

以下に本抄の特徴的な御文を示す。
「外道 悪人 雲 かすみの ごとく あつまり (中略) 大怨敵となる」
「大難を もちてこそ 法華経 しりたる 人とは 申すべき」
「今度 法華経の ために 命を すつる 事 ならば なには をしかるべき」
※「なには をしかるべき」とは、「何を惜しむことがあろうか」の意味。

 
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