a510 とうたいぎしょう　　 にちれん　これを　かんがう　　 とう　みょうほうれんげきょうとは　その　たい　なにものぞや　　 こたう　じっかいの　えしょう　すなわち　みょうほうれんげの　とうたい　なり　　 とう　もし　しかれば　われらが　ごとき　いっさいしゅじょうも　みょうほうの　ぜんたい　なりと　いわるべきか　　 こたう　もちろんなり　　 きょうに　いわく　「しょいしょほう　ないし　ほんまつくきょうとう」　うんぬん　　 みょうらくだいし　いわく　「じっそうは　かならず　しょほう　しょうほうは　かならず　じゅうにょ　 じゅうにょは　かならず　じっかい　じっかいは　かならず　しんど」と　うんぬん　　 てんだい　いわく　「じゅうにょ　じっかい　3000の　しょほうは　こんきょうの　しょうたい　なるのみ」　うんぬん　　 なんがくだいし　いわく　「いかなるを　なづけて　みょうほうれんげきょうと　なすや　　 こたう　みょうとは　しゅじょう　みょうなるが　ゆえに　ほうとは　すなわち　これ　しゅじょうほう　なるが　ゆえに」　うんぬん　　 また　てんだい　しゃくして　いわく　「しゅじょうほうみょう」と　うんぬん　　 とう　いっさいしゅじょうの　とうたい　そく　みょうほうの　ぜんたい　ならば　 じごく　ないし　きゅうかいの　ごういん　ごうかも　みな　これ　みょうほうの　たい　なるや　　 こたう　ほっしょうの　みょうりに　せんじょうの　にほう　あり　　 せんぽうは　くんじて　まよいと　なり　じょうほうは　くんじて　さとりと　なる　　 さとりは　すなわち　ぶっかい　なり　まよいは　すなわち　しゅじょう　なり　　 この　めいごの　にほう　2　なりと　いえども　しかも　ほっそうしんにょの　いちり　なり　　 たとえば　すいしょうの　たまの　にちりんに　むかえば　ひを　とり　 げつりんに　むかえば　みずを　とる　　 たまの　たい　いち　なれども　えんに　したがって　その　こう　おなじからざるが　ごとし　　 しんにょの　みょうりも　またまた　かくの　ごとし　　 いちみょうしんにょの　り　なりと　いえども　あくえんに　あえば　まよいと　なり　ぜんえんに　あえば　さとりと　なる　　 さとりは　すなわち　ほっしょう　なり　まよいは　すなわち　むみょう　なり　　 たとえば　ひと　ゆめに　しゅじゅの　ぜんあくの　ごうを　み　 ゆめ　さめて　のちに　これを　おもえば　わが　いっしんに　みるところの　ゆめ　なるがごとし　　 いっしんは　ほっしょうしんにょの　いちり　なり　　 ゆめの　ぜんあくは　めいごの　むみょうほっしょう　なり　　 かくの　ごとく　こころえれば　あくめいの　むみょうを　すて　ぜんごの　ほっしょうを　もとと　なすべきなり　　 だいえんがくしゅたらりょうぎきょうに　いわく　 「いっさいの　しゅじょうの　むしの　げんむみょうは　みな　もろもろの　にょらいの　えんがくの　こころ　より　こんりゅうす」　うんぬん　　 てんだいだいしの　しかんに　いわく　「むみょうちわく　もと　これ　ほっしょう　なり　　 ちめいを　もっての　ゆえに　ほっしょう　へんじて　むみょうと　なる」　うんぬん　　 みょうらくだいしの　しゃくに　いわく　「りしょう　たい　なし　まったく　むみょうに　よる　　 むみょう　たい　なし　まったく　ほっしょうに　よる」　うんぬん　　 むみょうは　しょだんの　まよい　ほっしょうは　しょしょうの　り　なり　　 なんぞ　たい　いち　なりと　いうやと　いえる　ふしんをば　 これらの　もんぎを　もって　こころう　べきなり　　 →b510 a511 だいろん　95の　ゆめの　たとえ　てんだい　いっけの　たまの　たとえ　 まことに　おもしろく　おもうなり　　 まさしく　むみょうほっしょう　その　たい　いち　なりと　いう　しょうこは　ほけきょうに　いわく　 「その　ほうは　ほういに　じゅうして　せけんの　そうじょうじゅうなり」　うんぬん　　 だいろんに　いわく　「みょうと　むみょうと　い　なく　べつ　なし　　 かくの　ごとく　しるをば　これを　ちゅうどうと　なづく」　うんぬん　　 ただ　しんにょの　みょうりに　せんじょうの　にほう　ありと　いうこと　 しょうもん　これ　おおしと　いえども　けごんきょうに　いわく　　 「しんぶつぎゅうしゅじょう　ぜさんむさべつ」の　もんと　ほけきょうの　しょほうじっそうの　もんとには　すぐ　べからざるなり　　 なんがくだいしの　いわく　「しんたいに　せんじょうの　にほうを　ぐそくして　 しかも　いそう　なく　いちみ　びょうどう　なり」　うんぬん　　 また　みょうきょうの　たとえ　まことに　つまびらか　なり　　 くわしくは　だいじょうしかんの　しゃくの　ごとし　　 また　よき　しゃくには　せんの　6に　いわく　 「3000　りに　あれば　おなじく　むみょうと　なづけ　3000　か　じょうずれば　ことごとく　じょうらくと　しょうす　　 3000　あらたむること　なければ　むみょう　そく　みょう　 3000　ならびに　つね　ならば　くたいくゆう　なり」　　 その　しゃく　ふんみょう　なり　　 とう　いっさいしゅじょう　みな　ことごとく　みょうほうれんげきょうの　とうたい　ならば　 われらが　ごとき　ぐち　あんどんの　ぼんぷも　すなわち　みょうほうの　とうたい　なりや　　 こたう　とうせの　しょにん　これ　おおしと　いえども　ふたりを　いでず　　 いわゆる　ごんきょうの　ひと　じっきょうの　ひと　なり　　 しかも　ごんきょう　ほうべんの　ねんぶつ　とうを　しんずる　ひとは　みょうほうれんげの　とうたいと　いわる　べからず　　 じっきょうの　ほけきょうを　しんずる　ひとは　すなわち　とうたいの　れんげ　しんにょの　みょうたい　これなり　　 ねはんぎょうに　いわく「いっさいしゅじょう　だいじょうを　しんずるゆえに　だいじょうの　しゅじょうと　なづく」　　 なんがくだいしの　しあんらくぎょうに　いわく　 だいごうしょうじんきょうに　いわく　しゅじょうと　にょらいと　どうくいちほうしんにして　　 しょうじょう　みょう　むひ　なるを　みょうほけきょうと　しょうす　　 また　いわく「ほけきょうを　しゅぎょう　するは　この　いっしん　いちがくに　しゅうか　あまねく　そなわる　　 いちじに　ぐそくして　しだいにゅうに　あらず　　 また　ほっけの　いっけに　しゅうかを　いちじに　ぐそく　するが　ごとし　　 これを　いちじょうの　しゅじょうの　ぎと　なづく」　　 また　いわく　「にじょう　しょうもん　および　どんこんの　ぼさつは　ほうべんどうの　なかの　しだいしゅうがく　なり　　 りこんの　ぼさつは　しょうじきに　ほうべんを　すて　しだいぎょうを　しゅうせず　　 もし　ほっけざんまいを　しょうすれば　しゅうか　ことごとく　ぐそく　す　　 これを　いちじょうの　しゅじょうと　なづく」　　 なんがくの　しゃくの　こころは　しだいぎょうの　さんじをば　とうせの　がくしゃは　べっきょう　なりと　りょうけん　す　　 しかるに　この　しゃくの　こころは　ほっけの　いんがぐそくの　みちに　たいして　ほうべんどうを　しだいぎょうと　いう　　 ゆえに　にぜんの　えん　にぜんの　しょだいじょうきょう　ならびにとんぜんだいしょうの　しょきょう　なり　　 しょうこは　むりょうぎきょうに　いわく　 「つぎに　ほうどう12ぶきょう　まかはんにゃ　けかいくうを　といてぼさつの　りゃっこうしゅぎょうを　せんぜつ　す」　　 りこんの　ぼさつは　しょうじきに　ほうべんを　すてて　しだいぎょうを　しゅうせ　ず　　 もし　ほけきょうを　しょうする　ときは　しゅうか　ことごとく　ぐそくす　　 これを　いちじょうの　しゅじょうと　なづくる　なり　　 →a511 b512 これらの　もんの　こころを　あんずるに　さんじょう　ごじょう　しちほうべん　きゅうほうかい　しみさんきょう　 いっさいの　ぼんしょう　とうをば　だいじょうの　しゅじょう　みょうほうれんげの　とうたいとは　なづく　べからざるなり　　 たとい　ほとけ　なりと　いえども　ごんきょうの　ほとけをば　ぶっかいの　みょうごんを　つく　べからず　　 ごんきょうの　さんじんは　いまだ　むじょうを　まぬがれざる　ゆえに　いかに　いわんや　その　よの　かいがいの　みょうごん　をや　　 ゆえに　しょう　ぞう　2000ねんの　こくおう　だいじん　よりも　まっぽうの　ひにんは　そんき　なりと　しゃくするも　この　こころ　なり　　 なんがく　しゃくして　いわく　 「いっさい　しゅじょう　ほっしんの　ぞうを　ぐそくして　ほとけとして　いつにして　ことなり　あること　なし」　　 この　ゆえに　ほけきょうに　いわく　　 「ふぼしょしょう　しょうじょう　じょうげんにびぜつしんに　やくぶにょぜ」　　 また　いわく　「とうて　いわく　ほとけ　いずれの　きょうの　なかにげん　とうの　しょこんを　といて　なずけて　にょらいと　するや　　 こたえて　いわく　だいごうしょうじんきょうの　なかに　しゅじょうと　にょらいと　おなじく　 ともに　いちほっしんにして　しょうじょう　みょう　むひなるを　みょうほうれんげきょうと　しょうす」　　 たきょうに　ありと　いえども　げもん　あらわれ　おわれば　つうじて　いんよう　することを　うるなり　　 だいごうしょうじんきょうの　どうぐの　にじに　ならい　そうでん　するなり　　 ほけきょうに　どうぐして　しんずる　ものは　みょうきょうの　たい　なり　　 ふどうぐの　ねんぶつしゃらは　すでに　ぶっしょう　ほっしんにょらいに　そむくが　ゆえに　みょうきょうの　たいに　あらざるなり　　 いわゆる　みょうほうれんげの　とうたいとは　ほけきょうを　しんずる　にちれんが　でし　だんな　とうの　ふぼ　しょしょうの　にくしん　これなり　　 しょうじきに　ほうべんを　すて　ただ　ほけきょうを　しんじ　なんみょうほうれんげきょうと　となうる　ひとは　 ぼんのう　ごう　くの　さんどう　ほっしん　はんにゃ　げだつの　さんとくと　てんじて　 さんかん　さんたい　そく　いっしんに　あらわれ　 その　ひとの　しょじゅうの　ところは　じょうじゃっこうど　なり　　 のうごしょご　しんど　しきしん　くたいくゆう　むささんじんの　ほんもんじゅりょうの　とうたいれんげの　ほとけとは　 にちれんが　でし　だんな　とうの　なかの　こと　なり　　 これ　すなわち　ほっけの　とうたい　じざいじんりきの　あらわす　ところの　こうのう　なり　　 あえて　これを　うたがう　べからず　これを　うたがう　べからず　　 とう　てんだいだいし　みょうほうれんげの　とうたいひゆの　2ぎをしゃくし　たまえり　　 しかれば　その　とうたいひゆの　れんげの　さまは　いかん　　 こたう　ひゆの　れんげとは　せかいはいの3しゃく　くわしく　これを　みるべし　　 とうたいれんげの　しゃくは　げんぎ　だいななに　いわく　 「れんげは　たとえに　あらず　とうたいに　なを　うる　　 るいせば　こっしょに　ばんぶつ　な　なし　　 しょうにん　りを　かんじて　じゅんそくして　なを　つくるが　ごとし」　　 またいわく　「いま　れんげの　しょうは　これ　たとえを　かるに　あらず　　 すなわち　これ　ほっけの　ほうもん　なり　　 ほっけの　ほうもんは　しょうじょうにして　いんが　みみょう　なればこの　ほうもんを　なづけて　れんげと　なす　　 すなわち　これ　ほっけざんまいの　とうたいの　なにして　ひゆに　あらざる　なり」　　 また　いわく　「とう　れんげ　さだめて　これ　ほっけざんまいの　れんげ　なりや　　 さだめて　これ　けそうの　れんげ　なりや　　 →b512 a513 こたう　さだめて　これ　ほうれんげ　なり　　 ほうれんげ　げしがたし　ゆえに　そうもくを　たとえと　なす　　 りこんは　なに　そくして　りを　げし　ひゆを　からず　　 ただ　ほっけの　げを　なす　　 ちゅうげは　いまだ　さとらず　　 たとえを　もちいて　すなわち　しる　　 いげの　れんげを　もって　なんげの　れんげに　たとう　　 ゆえに　さんしゅうの　せっぽう　あって　じょうちゅうげこんに　かなう　　 じょうこんに　やくすれば　これ　ほうの　な　 ちゅうげに　やくすれば　これ　たとえの　な　なり　　 さんこん　ごうろんし　ならべて　ほっぴを　ひょうす　　 かくの　ごとく　げする　ものは　だれとか　あらそう　ことを　なさんや」　うんぬん　　 この　しゃくの　こころは　しりは　な　なし　　 しょうにん　りを　かんじて　ばんぶつに　なを　つくる　とき　 いんがぐじ　ふしぎの　いっぽう　これ　あり　　 これを　なづけて　みょうほうれんげと　なす　　 この　みょうほうれんげの　いっぽうに　じっかい3000の　しょほうをぐそくして　けつげん　なし　　 これを　しゅぎょう　するものは　ぶついん　ぶっか　どうじに　これを　うる　なり　　 しょうにん　この　ほうを　しと　なして　しゅぎょう　かくどうし　たまえば　 みょういん　みょうか　ぐじに　かんとくし　たもうが　ゆえに　 みょうかく　かまんの　にょらいと　なり　たまいし　なり　　 ゆえに　でんぎょうだいし　いわく　「いっしんの　みょうほうれんげとは　いんげ　かだい　ぐじに　ぞうちょう　す　　 さんしゅう　おのおの　とうたい　ひゆ　あり　　 そうじて　いっきょうに　みな　とうたい　ひゆ　あり　　 べっして　しちひ　さんびょうどう　10むじょうのほうもん　ありて　みな　とうたいれんげ　あるなり　　 この　りを　せんずる　おしえを　なずけて　みょうほうれんげきょうと　なす」　うんぬん　　 みょうらくだいし　いわく　「すべからく　しちひを　もって　おのおの　れんげ　ごんじつの　ぎに　たいすべし　　 いかんと　なれば　れんげは　ただ　これ　いじつせごん　かいごんけんじつ　しちひ　かいぜん　なり」　　 また　こっしょに　けそう　あり　　 しょうにん　りを　みて　ごうして　れんげと　なづく　　 この　けそう　いんがぐじ　なること　みょうほうれんげに　にたり　　 ゆえに　この　けそう　おなじく　れんげと　なづくる　なり　　 すいちゅうに　しょうずる　しゃくれんげ　びゃくれんげ　とうの　れんげ　これなり　　 ひゆの　れんげとは　この　けそうの　れんげ　なり　　 この　けそうを　もって　なんげの　みょうほうれんげを　あらわす　　 てんだいだいしの　みょうほうは　げしかたし　　 たとえを　かりて　あらわれ　やすしと　しゃくするは　この　こころ　なり　　 とう　こっしょ　より　このかた　なんにんか　とうたいの　れんげをしょうとく　せしや　　 こたう　しゃくそん　500じんてんごうの　そのかみ　 この　みょうほうの　とうたいれんげを　しょうとくして　せぜ　ばんばんに　じょうどうを　となえ　 のうしょう　しょしょうの　ほんりを　あらわし　たまえり　　 こんにち　また　ちゅうてんじく　まかだこくの　しゅせして　この　れんげを　あらわさんと　ほっすに　 き　なく　とき　なし　　 ゆえに　ひとつの　ほうれんげに　おいて　みっつの　そうけを　ふんべつし　 さんじょうの　ごんぽうを　ほどこし　ぎぎゆういん　せしこと　40よねん　なり　　 この　あいだは　しゅじょうの　こんじょう　ばんさ　なれば　 しゅじゅの　そうけを　ほどこし　もうけて　ついに　みょうほうれんげきょうを　ほどこし　たまわざる　ゆえに　 むりょうぎきょうに　いわく　「われさきに　どうじょう　ぼだいじゅげ　ないし　しじゅうよねん　いまだ　しんじつを　あらわさず」　　 →b513 a514 ほけきょうに　いたって　しみさんきょうの　ほうべんの　ごんきょう　しょうじょう　 しゅじゅの　そうけを　すてて　ゆいいつの　みょうほうれんげを　とき　 みっつの　けそうを　かいして　ひとつの　みょうほうれんげを　あらわす　とき　 しみ　さんきょうの　ごんにんに　しょじゅうの　れんげを　さずけし　より　 はじめて　かいごんけんのんの　れんげに　いたって　にじゅう　さんじゅう　 ないし　じゅうじゅう　とうかく　みょうかくの　ごくかの　れんげを　うる　なり　　 とう　ほけきょうは　いずれの　ほん　いずれの　もんにか　ただしく　とうたいひゆの　れんげを　とき　わけたるや　　 こたう　もし　さんしゅうの　しょうもんに　やくして　これを　ろんぜば　ほうべんの　いっぽんは　みな　これ　とうたいれんげを　とける　なり　　 ひゆほん　けじょうゆほんには　ひゆれんげを　ときし　なり　　 ただ　ほうべんぽんにも　ひゆれんげ　なきに　あらず　　 よほんにも　とうたいれんげ　なきに　あらざるなり　　 とう　もし　しからば　ただしく　とうたいれんげを　ときし　もんは　いずれぞや　　 こたう　ほうべんぽんの　しょほうじっそうの　もん　これなり　　 とう　なにを　もって　この　もんが　とうたいれんげ　なりと　いうことを　しることを　うるや　　 こたう　てんだい　みょうらく　いまの　もんを　ひいて　こんきょうの　たいを　しゃくせし　ゆえなり　　 また　でんぎょうだいし　しゃくして　いわく　 「とう　ほけきょうは　なにを　もって　たいと　なすや　　 こたう　しょほうじっそうを　もって　たいと　なす」　　 この　しゃく　ふんみょう　なり　　 とうせいの　がくしゃ　この　しゃくを　ひして　なを　あらわさず　　 しかるに　この　もんの　なを　みょうほうれんげと　いう　ぎ　なり　　 また　げんしょうは　ほうとうほんの　さんじん　これ　げんしょう　なり　　 あるいは　ゆじゅつのぼさつ　りゅうにょの　そくしんじょうぶつ　これなり　　 じゆの　ぼさつを　げんしょうと　なすことは　きょうもんに　にょれんげざいすいと　いう　ゆえなり　　 ぼさつの　とうたいと　きこえたり　　 りゅうにょを　しょうこと　なすことは　りょうじゅせんに　もうで　せんようの　れんげの　おおいさ　　 しゃりんの　ごとくなるに　ざしと　とき　たもう　ゆえなり　　 また　みょうおん　かんのんの　33　ししん　なり　　 これをば　げしゃくには　ほっけざんまいの　ふしぎ　じざいの　ごうを　しょうとく　するに　あらざる　よりは　 いずくんぞ　よく　この　33しんを　げんぜんと　うんぬん　　 あるいは　「せけんそうじょうじゅう」　　 これらは　みな　とうせいの　がくしゃの　かんもん　なり　　 しかりと　いえども　にちれんは　ほうべんぽんの　もんと　じんりきほんの　にょらいいっさいしょうしほうとうの　もんと　なり　　 この　もんをば　てんだいだいしも　これを　ひいて　こんきょうのごじゅうげんを　しゃくせし　なり　　 ことさら　この　いちもん　ただしき　しょうもん　なり　　 とう　つぎかみに　ひく　ところの　もんしょう　げんしょう　しゅしょう　なり　　 なんぞ　じんりきの　いちもんに　しゅうするや　　 こたう　この　いちもんは　じんい　ある　ゆえに　ことさら　よきなり　　 とう　その　じんい　いかん　　 こたう　この　もんは　しゃくそん　ほんけんぞく　じゆのぼさつに　けっちょうの　ごじの　とうたいを　 ふぞくすと　とき　たまえる　もん　なる　ゆえなり　　 くおんじつじょうの　しゃかにょらいは　わが　むかしの　しょがんの　ごとき　 いまは　すでに　まんぞく　す　　 いっさいしゅじょうを　けして　みな　ぶつどうに　いらしむとて　おんねがい　すでに　まんぞくし　 にょらいの　めつご　ご　500さいちゅう　こうせんるふの　ふぞくを　とかんが　ため　 じゆのぼさつを　めし　いだし　 ほんもんの　とうたいれんげを　ようを　もって　ふぞくし　たまえる　もん　なれば　 しゃか　しゅせの　ほんかい　どうじょうしょとくの　ひほう　 まっぽうの　われらが　げんとうにせいを　じょうじゅ　する　とうたいれんげの　じょうしょうは　この　もん　なり　　 →b514 a515 ゆえに　まっぽう　こんじに　おいて　にょらいの　おんつかい　より　ほかに　 とうたいれんげの　しょうもんを　しって　いだす　ひと　すべて　ある　べからざる　なり　　 しんじつ　もって　ひもん　なり　　 しんじつ　もって　だいじ　なり　しんじつ　もって　とうとき　なり　　 なんみょうほうれんげきょう　なんみょうほうれんげきょう　 にぜんの　えんの　ぼさつ　とうの　こんきょうに　たいしゅう　8まんあって　ぐそくの　みちを　きかんと　ほっす　うんぬん　これなり　　 とう　とうりゅうの　ほうもんの　こころは　しょしゅうの　ひと　きたって　とうたいれんげの　しょうもんを　とわん　ときは　 ほけきょう　いずれの　もんを　いだすべきや　　 こたう　にじゅうはっぽんの　はじめに　みょうほうれんげきょうと　だいす　　 この　もんを　いだす　べきなり　　 とう　なにを　もって　ほんぼんの　だいもくは　とうたいれんげ　なりと　いうことを　しることを　うるや　　 ゆえは　てんだいだいし　こんきょうの　しゅだいを　しゃくする　とき　 れんげとは　ひゆを　あぐると　いって　ひゆれんげと　しゃくし　たまえる　ものをや　　 こたう　だいもくの　れんげは　とうたいひゆを　ごうせつ　す　　 てんだいの　いまの　しゃくは　ひゆの　へんを　しゃくする　ときの　しゃく　なり　　 げんもん　だいいちの　ほんじゃく　ろくひは　この　こころ　なり　　 おなじく　だいしちは　とうたいの　へんを　しゃくする　なり　　 ゆえに　てんだいは　だいもくの　れんげを　もって　とうたいひゆのりょうせつを　しゃくする　ゆえに　とが　なし　　 とう　なにを　もって　だいもくの　れんげは　とうたい　ひゆ　ごうせつす　ということを　えんや　　 なんがくだいしも　みょうほうれんげの　5じを　しゃくする　とき　 「みょうとは　しゅじょう　みょう　なる　ゆえに　 ほうとは　しゅじょう　ほう　なる　ゆえに　 れんげとは　これ　ひゆを　かる　なり」　　 なんがくだしの　しゃく　すでに　ひゆれんげ　なりと　しゃくし　たもう　いかん　　 こたう　なんがくの　しゃくも　てんだいの　しゃくの　ごとし　うんぬん　　 ただ　とうたい　ひゆ　ごうせつすと　いうこと　きょうもん　ふんみょう　ならずと　いえども　 なんがく　てんだい　すでに　てんじん　りゅうじゅの　ろんに　よりて　ごうせつの　こころを　はんしゃく　せり　　 いわゆる　ほっけろんに　いわく　「みょうほうれんげとは　2しゅの　ぎ　あり　　 ひとつには　しゅっすいの　ぎ　 ないし　でいすいを　いずるをば　もろもろの　しょうもん　にょらいたいしゅうの　なかに　いって　ざし　 もろもろの　ぼさつの　ごとく　れんげの　うえに　ざして　 にょらいむじょうちえ　しょうじょうの　きょうがいを　とくを　きいて　 にょらいの　みつぞうを　しょうするを　たとうるが　ゆえに　 2に　けかいとは　もろもろの　しゅじょう　だいじょうの　なかに　おいて　 その　こころ　こうじゃくにして　しんを　しょうずる　こと　あたわず　　 ゆえに　にょらいの　じょうみょうほっしんを　かいじして　しんじんを　しょうぜしめんが　ゆえなり」　　 もろもろの　ぼさつの　もろもろの　じは　ほっけ　いぜんの　だいしょうの　しょぼさつ　 ほけきょうに　きたって　ほとけの　れんげを　うると　いうこと　ほっけろんの　もん　ふんみょう　なり　　 ゆえに　しんぬ　ぼさつ　しょしょとくにゅうとは　ほうべん　なり　　 てんだい　この　ろんの　もんを　しゃくして　いわく　 こんろんの　こころを　げせば　もし　しゅじょうをして　じょうみょうほっしんを　みせしむと　いわば　 これ　みょういんの　かいはつ　するを　もって　れんげと　するなり　　 もし　にょらい　たいしゅうに　いるに　れんげの　かみに　ざすと　いわば　 これは　みょうほうの　こくどを　もって　れんげと　するなり　　 →b515 a516 てんだいが　とうたいひゆ　ごうせつ　する　さまを　いさいに　しゃくし　たもう　とき　 だいしつきょうの　われ　いま　ほとけの　れんげを　けいれいすと　いう　もんと　 ほっけろんの　いまの　もんとを　いんしょうして　しゃくして　いわく　 「もし　だいしつに　よれば　ぎょうほうの　いんがを　れんげと　なす　　 ぼさつ　かみに　しょすれば　すなわち　これ　いんの　け　なり　　 ほとけの　れんげを　れいすれば　すなわち　これ　かの　け　なり　　 もし　ほっけろんに　よれば　えほうの　こくどを　もって　れんげと　なす　　 また　ぼさつ　れんげの　ぎょうを　しゅうするに　よって　ほうれんげの　こくどを　う　　 まさに　しるべし　えしょう　いんが　ことごとく　これ　れんげの　ほう　なり　　 なんぞ　たとえを　もって　あらわす　ことを　もちいん　 どんじんの　ほっしょうの　れんげを　げせざる　ための　ゆえに　よの　けを　あげて　たとえと　なす　　 また　なんの　さまたげか　あるべき」　　 また　いわく　もし　れんげに　あらずんば　なにに　よって　あまねく　じょうらいの　しょほうを　たとえん　　 ほっぴ　ならべ　べんずる　ゆえに　みょうほうれんげと　しょうする　なり　　 つぎに　りゅうじゅの　だいろんに　いわく　 「れんげとは　ほっぴ　ならびに　あぐる　なり」　　 てんぎょうだいしが　てんじん　りゅうじゅの　にろんの　もんを　しゃくして　いわく　　 「ろんの　もん　ただ　みょうほうれんげきょうと　なづくるに　にしゅの　ぎ　あり　　 ただ　れんげに　2しゅの　ぎ　ありと　いうには　あらず　　 およそ　ほうゆとは　あいにたるを　よしと　なす　　 もし　あいにずんば　なにを　もってか　たを　げせしめん　　 この　ゆえに　しゃくろんに　ほうゆ　ならび　あぐ　いっしんの　みょうほうれんげは　 いんげ　かだい　ぐじに　ぞうちょう　す　　 この　ぎ　げし　がたし　　 たとえを　かれば　げし　やすし　　 この　りきょうを　せんずるを　なずけて　みょうほうれんげきょうと　なす」　　 これらの　きょうもん　しゃくぎ　ふんみょう　なり　　 もんに　よって　みるべし　　 ほうぞう　せざるが　ゆえに　ごうせつの　ぎ　ごくじょう　せり　　 およそ　ほけきょうの　こころは　ひゆ　そく　ほったい　ほったい　そく　ひゆ　なり　　 ゆえに　でんぎょうだいし　しゃくして　いわく　 「こんきょうは　ひゆ　おおしと　いえども　だいゆは　これ　しちゆ　なり　　 この　しちゆは　すなわち　ほったい　ほったいは　すなわち　ひゆ　なり　　 ゆえに　ひゆの　ほかに　ほったい　なく　ほったいの　ほかに　ひゆ　なし　　 ただし　ほったいとは　ほっしょうの　りたい　なり　　 ひゆとは　すなわち　みょうほうの　じそうの　たい　なり　　 じそう　そく　りたい　なり　りたい　そく　じそう　なり　　 ゆえに　ほっぴ　いったいとは　いうなり　　 これを　もって　ろんもん　さんげの　しゃくに　みな　れんげを　しゃくするには　ほっぴ　ならべ　あぐ」とう　うんぬん　　 しゃくの　こころ　ふんみょう　なる　ゆえ　かさねて　いわず　 とう　にょらいの　ざいせに　だれか　とうたいの　れんげを　しょうとく　せるや　　 こたう　しみさんきょうの　ときは　さんじょう　ごじょう　しちほうべん　きゅうほうかい　たいごんの　えんのぼさつ　 ならびに　きょうしゅ　ないし　ほっけ　しゃくもんの　きょうしゅ　 そうじて　ほんもん　じゅりょうほんの　きょうしゅを　のぞくの　ほかは　ほんもんの　とうたいれんげの　なをも　きかず　 いかに　いわんや　しょうとく　せんをや　　 かいさんけんいちの　むじょうぼだいの　れんげ　なお　しじゅうよねんには　これを　あらわさず　　 ゆえに　むりょうぎきょうに　しゅうふとくじょう　むじょうぼだい　とて　 しゃくもん　かいさんけんいちの　れんげは　にぜんに　これを　とかずと　いうなり　　 →b516 a517 いかに　いわんや　かいごんけんのん　ほんちなんし　きょうちみょうごう　ほんぬむさの　とうたいれんげをば　 しゃっけ　みろく　とう　これを　しるべきや　　 とう　なにを　もって　にぜんの　えんのぼさつ　しゃくもんの　えんのばさつは　 ほんもんの　とうたいれんげを　しょうとく　せずと　いうことを　しることを　えん　　 こたう　にぜんの　えんの　ぼさつは　しゃくもんの　れんげを　しらず　　 しゃくもんの　えんの　ぼさつは　ほんもんの　れんげを　しらざるなり　　 てんだい　いわく　「ごんきょうの　ふしょは　しゃっけの　しゅうを　しらず　　 しゃっけの　しゅうは　ほんげの　しゅうを　しらず」　　 でんぎょうだいし　いわく　「これ　じきどう　なりと　いえども　だいじきどう　ならず」　うんぬん　　 あるいは　いわく　「いまだ　ぼだいの　だいじきどうを　しらざるが　ゆえに」　うんぬん　　 この　こころ　なり　　 にぜん　しゃくもんの　ぼさつは　いちぶんだんなくしょうりの　ぎぶん　ありと　いえども　 ほんもんに　たいするの　ときは　とうぶんの　だんわくにして　かせつの　だんわくに　あらず　　 みだんわくと　いわるる　なり　　 しかれば　ぼさつ　しょしょとくにゅうと　しゃくすれども　 にじょうを　きらうの　とき　いちおう　とくにゅうの　なを　あたうるなり　　 ゆえに　にぜん　しゃくもんの　だいぼさつが　ほとけの　れんげを　しょうとく　する　ことは　ほんもんの　とき　なり　　 しんじつの　だんわくは　じゅりょうの　いっぽんを　ききし　とき　なり　　 てんだいだいし　ゆじゅっぽんの　50しょうこう　ほとけの　じんりきの　ゆえに　 もろもろの　たいしゅうをして　はんにちの　ごとしと　おもわしむの　もんを　しゃくして　いわく　 「げしゃは　たんに　そくして　ちょう　50しょうこうと　みる　　 わくしゃは　ちょうに　そくして　たん　はんにちの　ごとしと　おもえり」　　 みょうらく　これを　うけて　しゃくして　いわく　「ぼさつ　すでに　むみょうを　はす　　 これを　しょうして　げと　なす　　 たいしゅう　なお　けんいに　こす　　 これを　なづけて　わくと　なす」　　 しゃくの　こころ　ふんみょう　なり　　 にぜん　しゃくもんの　ぼさつは　わくしゃ　なり　　 じゆのぼさつ　のみ　ひとり　げしゃ　なりと　いうこと　なり　　 しかるに　とうせい　てんだいしゅうの　ひとの　なかに　ほんじゃくのどういを　ろんずる　とき　 ことなり　なしと　いって　この　もんを　りょうけん　するに　 げしゃの　なかに　しゃっけの　しゅう　いりたりと　いうは　おおいなる　びゃっけん　なり　　 きょうの　もん　しゃくの　ぎ　ふんみょう　なり　　 なんぞ　おうけいを　なす　べけんや　　 もんの　ごときは　じゆのぼさつ　50しょうこうの　あいだ　にょらいを　しょうよう　するを　 りょうぜん　しゃっけの　しゅうは　はんにちの　ごとく　おもえりととき　たまえるを　 てんだいは　げしゃ　わくしゃを　いだして　しゃっけの　しゅうは　わくしゃの　ゆえに　はんにちと　おもえり　　 これ　すなわち　びゃっけん　なり　　 じゆのぼさつは　げしゃの　ゆえに　50しょうこうと　みる　　 これ　すなわち　しょうけん　なりと　しゃくし　たまえるなり　　 みょうらく　これを　うけて　むみょうを　はする　ぼさつは　げしゃ　なり　　 いまだ　むみょうを　はせざる　ぼさつは　わくしゃ　なりと　しゃくし　たまいし　こと　もんに　よって　ふんみょう　なり　　 しゃっけの　ぼさつ　なりとも　じゅうじょうの　ぼさつは　すでに　むみょうを　はする　ぼさつ　なりと　いわん　がくしゃは　 むとくどうの　しょきょうを　うとくどうと　ならいし　ゆえなり　　 にぜん　しゃくもんの　とうぶんに　みょうかくの　くらい　ありと　いえども　 ほんもん　じゅりょうの　しんぶつに　のぞむる　ときは　わくしゃ　なお　けんいに　いると　いわるる　ものなり　　 →b517 a518 ごんきょうの　さんじん　いまだ　むじょうを　まぬがれざる　ゆえはむちゅうの　こぶつ　なるが　ゆえなり　　 にぜんと　しゃっけの　しゅうとは　いまだ　ほんもんに　いたらざるときは　みだんわくの　ものと　いわれ　 かしこに　いたる　とき　ただしく　しょじゅうに　かなうなり　　 みょうらくの　しゃくに　いわく　「かいしゃくけんぽん　みな　しょじゅうに　いる」　　 なお　けんいに　こすの　しゃく　これを　おもい　あわすべし　　 にぜん　しゃっけの　しゅうは　わくしゃ　いまだ　むみょうを　はせざる　ほとけ　ぼさつ　なりと　いうこと　しんじつ　なり　しんじつ　なり　　 ゆえに　しんぬ　ほんもん　じゅりょうの　せつ　あらわれての　のちは　 りょうぜんいちえの　しゅう　みな　ことごとく　とうたいれんげを　しょうとく　せしなり　　 にじょう　せんだい　じょうしょう　にょにん　とうの　あくにんも　ほんぶつの　れんげを　しょうとく　するなり　　 でんぎょうだいし　いちだいじの　れんげを　しゃくして　いわく　 「ほっけの　かんじん　いちだいじの　いんねんは　れんげの　しょけん　なり　　 いち　とは　いちじっそう　なり　　 だい　とは　しょうこう　はく　なり　　 じ　とは　ほっしょうの　こと　なり　　 いちくきょうじは　えんの　りきょうちぎょう　えんの　しんにゃくだつ　なり　　 いちじょう　さんじょう　じょうしょう　ふじょうしょう　ないどう　げどう　あせん　あてん　みな　ことごとく　 いっさいちじに　いたる　この　いちだいじ　ほとけの　ちけんを　かいじし　ごにゅうして　いっさい　じょうぶつ　す」　　 にょにん　せんだい　じょうしょう　にじょう　とうの　ごくあくにん　りょうぜんに　おいて　 とうたいれんげを　しょうとく　するを　いうなり　　 とう　まっぽう　こんじ　だれびとか　とうたいれんげを　しょうとく　せるや　　 こたう　とうせいの　ていを　みるに　だいあびじごくの　とうたいを　しょうとく　する　ひと　 これ　おおしと　いえども　ほとけの　れんげを　しょうとく　せるの　ひと　これ　なし　　 その　ゆえは　むとくどうの　ごんきょう　ほうべんを　しんこうして　 ほっけの　とうたい　しんじつの　れんげを　きぼう　する　ゆえなり　　 ほとけ　といて　いわく　　 「もし　ひと　しんぜずして　この　きょうを　きぼうせば　すなわちいっさいせけんの　ぶっしゅを　だんぜん　　 ないし　その　ひと　みょうじゅうして　あびごくに　いらん」　　 てんだい　いわく　「この　きょうは　あまねく　ろくどうの　ぶっしゅを　ひらく　　 もし　この　きょうを　ぼうぜば　ぎ　だんずるに　あたる　なり」　　 にちれん　いわく　この　きょうは　これ　じっかいの　ぶっしゅに　つうず　　 もし　この　きょうをば　ぼうぜば　ぎ　これ　じっかいの　ぶっしゅを　だんずるに　あたる　　 この　ひと　むけんに　おいて　けつじょうして　だざい　す　　 なんぞ　いずる　ごを　えんや　　 しかるに　にちれんが　いちもんは　しょうじきに　ごんきょうの　じゃほう　じゃしの　じゃぎを　すてて　 しょうじきに　しょうほう　しょうしの　せいぎを　しんずる　ゆえに　 とうたいれんげを　しょうとくして　じょうじゃっこうの　とうたいのみょうりを　あらわす　ことは　 ほんもんじゅりょうの　きょうしゅの　きんげんを　しんじて　なんみょうほうれんげきょうと　となうるが　ゆえなり　　 とう　なんがく　てんだい　でんぎょう　とうの　だいし　ほけきょうに　よって　いちじょう　えんしゅうの　きょうほうを　ぐつうし　たもうと　いえども　 いまだ　なんみょうほうれんげきょうと　となえ　たまわざるは　いかん　　 もし　しからば　この　だいし　とうは　いまだ　とうたいれんげを　しらず　　 また　しょうとく　したまわずと　いうべきや　　 →b518 a519 とう　なんがくだいしは　かんのんの　けしん　てんだいだいしは　やくおうの　けしん　なり　とう　うんぬん　　 もし　しからば　りょうぜんに　おいて　ほんもんじゅりょうの　せつを　ききし　ときは　これを　しょうとくすと　いえども　 ざいせの　ときは　みょうほう　るふの　ときに　あらず　　 ゆえに　みょうほうの　みょうじを　かえて　しかんと　ごうし　 いちねん3000　いっしんさんかんを　しゅうし　たまいしなり　　 ただし　これらの　だいし　とうも　なんみょうほうれんげきょうと　となうる　ことを　 じぎょうしんじつの　ないしょうと　おぼしめされし　なり　　 なんがくだいしの　ほっけせんぽうに　いわく　「なんみょうほうれんげきょう」　　 てんだいだいしの　いわく「なむ　びょうどうだいえ　いちじょう　みょうほうれんげきょう」　　 また　いわく　「けいしゅ　みょうほうれんげきょう」　うんぬん　　 また　「きみょう　みょうほうれんげきょう」　うんぬん　　 でんぎょうだいしの　さいご　りんじゅうの　じゅっしょうがんの　きに　いわく　 「なんみょうほうれんげきょう」　うんぬん　　 とう　もんしょう　ふんみょう　なり　なんぞ　かくの　ごとく　ぐつう　したまわざるや　　 こたう　これに　おいて　2の　こころ　あり　　 いちには　ときの　いたらざるが　ゆえに　 2には　ふぞくに　あらざるが　ゆえなり　　 およそ　みょうほうの　ごじは　まっぽうるふの　だいびゃくほう　なり　　 じゆ　せんがいの　だいしの　ふぞく　なり　　 この　ゆえに　なんがく　てんだい　でんぎょう　とうは　うちに　かんがみて　 まっぽうの　どうしに　これを　ゆずりて　ぐつう　したまわざりし　なり　　 →b519