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大田殿女房御返事 (おおたどのにょうぼう ごへんじ).
日蓮大聖人 57歳 御作.

 

おおたどのにょうぼう ごへんじ.
大田殿女房 御返事.

こうあん がんねん 9がつ 57さい おんさく.
弘安 元年 九月 五十七歳 御作.

あたう おおたにゅうどうにょうぼう.
与 大田入道女房.

みのぶに おいて.
於 身延.

こめ いっこく つき じゅうごう.
八木 一石 付 十合.

ていれば だいかんばつの よに かわける ものに みずを ほどこしては.
者 大旱魃の 代に かはける 物に 水を ほどこしては.

だいりゅうおうと うまれて あめを ふらして にんてんを やしなう.
大竜王と 生れて 雨を ふらして 人天を やしなう.

うえたる よに しょくを ほどこせる ひとは こくおうと うまれて その くに ゆたか なり.
うえたる 代に 食を ほどこせる 人は 国王と 生れて 其の 国 ゆたか なり.

かこの よに こんじきと もうす だいおう ましましき.
過去の 世に 金色と 申す 大王 ましましき.

その くにをば はらないこくと もうす.
其の 国をば 波羅奈国と 申す.

12ねんが あいだ かんばつ ゆきて じんみん うえ しぬ こと おびただし.
十二年が 間 旱魃 ゆきて 人民 うえ 死ぬ 事 おびただし.

たくちゅうには しにん じゅうまんし どうろには がいこつ じゅうまん せり.
宅中には 死人 充満し 道路には 骸骨 充満 せり.

そのとき だいおう いっさいしゅじょうを あわれみて.
其の 時 大王 一切衆生を あはれみて.

おおくの くらを ひらきて ほどこしを ほどこし たまいき.
おおくの 蔵を ひらきて 施を ほどこし 給いき.

くらの たから つきて ただ いちにちの くご のみ のこりて そうらいし.
蔵の 中の 財 つきて 唯 一日の 御供 のみ のこりて 候いし.

しゅうそうを あつめて くようを なし.
衆僧を あつめて 供養を なし.

おうと きさきと しゅうそうと ばんみんと みな うえ しなんと せしほどに.
王と 后と 衆僧と 万民と 皆 うえ 死なんと せし程に.

てん より いんしょく あめの ごとく ふりて.
天 より 飲食 雨の ごとく ふりて.

たいこく いちじに ふうき せりと こんじきおうきょうに とかれて そうろう.
大国 一時に 富貴 せりと 金色王経に とかれて 候.

これも また かくの ごとし.
此れも 又 かくの ごとし.

この くように よりて げんせには ふくびとと なり.
此の 供養に よりて 現世には 福人と なり.

ごしょうには りょうぜんじょうどへ まいらせ たもうべし.
後生には 霊山浄土へ まいらせ 給うべし.

きょうきょう きんげん.
恐恐 謹言.

9がつ にじゅうよっか.
九月 二十四日.

おおたにゅうどうどのにょうぼう ごへんじ.
大田入道殿女房 御返事.

 
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