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松野殿女房御返事 (まつのどの にょうぼう ごへんじ)
別名、仏身懐胎抄 (ぶっしん かいたい しょう).
日蓮大 聖人 59歳御作.

 

まつのどの にょうぼう ごへんじ.
松野殿 女房 御返事.

はくまい いっと いも 1だ なし いっこ みょうが はじかみ.
白米 一斗・ 芋 一駄・ 梨子 一篭・ 名荷・ はじかみ・.

えだまめ えびね かたがたの もの たび そうらいぬ.
枝大豆・ ゑびね 旁の 物 給び 候ぬ、.

にごれる みずには つき すまず.
濁れる 水には 月 住まず.

かれたる きには とり なし.
枯たる 木には 鳥 なし、.

こころなき にょにんの みには ほとけ すみ たまわず.
心なき 女人の 身には 仏 住み 給はず、.

ほけきょうを たもつ にょにんは すめる みずの ごとし.
法華経を 持つ 女人は 澄める 水の 如し.

しゃかぶつの つき やどらせ たまう.
釈迦仏の 月 宿らせ 給う、.

たとえば にょにんの はらみ そめたるには.
譬へば 女人の 懐み 始めたるには.

わが みには おぼえねども.
吾 身には 覚えねども、.

つき ようやく かさなり.
月 漸く 重なり.

ひも しばしば すぐれば.
日も 屡 過ぐれば.

はじめには さかと うたがい のちには いちじょうと おもう.
初には さかと 疑ひ 後には 一定と 思ふ、.

こころある にょにんは おのこ ご おんなをも しるなり.
心ある 女人は をのこ ご をんなをも 知るなり.

ほけきょうの ほうもんも また かくの ごとし.
法華経の 法門も 亦 かくの 如し、.

なんみょうほうれんげきょうと こころに しんじぬれば.
南無妙法蓮華経と 心に 信じぬれば.

こころを やどとして しゃかぶつ はらまれ たまう.
心を 宿として 釈迦仏 懐まれ 給う、.

はじめは しらねども ようやく つき かさなれば.
始は しらねども 漸く 月 重なれば.

こころの ほとけ ゆめに みえ よろこばしき こころ ようやく しゅったいし そうろうべし.
心の 仏・ 夢に 見え 悦こばしき 心 漸く 出来し 候べし、.

ほうもん おおしと いえども とどめ そうろう.
法門 多しと いへども 止め 候、.

ほけきょうは はじめは しんずるよう なれども のち とぐる こと かたし.
法華経は 初は 信ずる様 なれども 後 遂る 事 かたし、.

たとえば みずの かぜに うごき はなの いろの つゆに うつるが ごとし.
譬へば 水の 風に うごき 花の 色の 露に 移るが 如し、.

なんとして いままでは たもたせ たまうぞ.
何として 今までは 持たせ 給うぞ.

これ ひとえに ぜんしょうの くりきの うえ しゃかぶつの まもり たまうか.
是・ 偏へに 前生の 功力の 上・ 釈迦仏の 護り 給うか、.

たのもしし たのもしし.
たのもしし・ たのもしし、.

くわしくは かいどの もうすべし.
委くは 甲斐殿 申すべし。.

9がつ ついたち にちれん かおう.
九月 一日 日蓮 花押.

まつのどの にょうぼう ごへんじ.
松野殿 女房 御返事.

 
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