b1543.
大白牛車書(だいびゃくごしゃ しょ).
日蓮大 聖人 56歳 御作.

 

だいびゃくごしゃ しょ.
大白牛車 書.

けんじ 3ねん 12がつ 17にち 56さい おんさく.
建治 三年 十二月 十七日 五十六歳 御作.

あたう なんじょうしちろうじろう.
与 南条七郎次郎.

それ ほけきょう だい2のまきに いわく.
夫れ 法華経 第二の巻に 云く.

「この ほうじょうに のり ただちに どうじょうに いたる」と うんぬん.
「此の 宝乗に 乗り 直ちに 道場に 至る」と 云云、.

にちれんは けんちょう 5ねん 4がつ 28にち はじめて.
日蓮は 建長 五年 四月 二十八日 初めて.

この だいびゃくごしゃの いちじょうほっけの そうでんを もうし あらわせり.
此の 大白牛車の 一乗法華の 相伝を 申し 顕はせり、.

しかるに しょしゅうの にんしら うんかの ごとく よせ きたり そうろう.
而るに 諸宗の 人師等・ 雲霞の 如く よせ 来り 候、.

なかにも しんごん じょうど ぜんしゅうとう はちの ごとく おこり せめ たたかう.
中にも 真言・ 浄土・ 禅宗等・ 蜂の 如く 起り せめ たたかふ、.

にちれん だいびゃくごしゃの うしの つの さいだいいち なりと もうして たたかう.
日蓮 大白牛車の 牛の 角 最第一 なりと 申して たたかふ、.

りょうの つのは ほんじゃくにもんの ごとく にじょうさぶつ くおんじつじょう これなり.
両の 角は 本迹二門の 如く 二乗作仏・ 久遠実成 是なり、.

すでに こうぼうだいしは ほけきょうさいだいいちの つのを さいだいさんと なおし.
すでに 弘法大師は 法華最第一の 角を 最第三と なをし・.

いちねんさんぜん くおんじつじょう そくしんじょうぶつは ほっけに かぎれり.
一念三千・ 久遠実成・ 即身成仏は 法華に 限れり・.

これをも しんごんの きょうに ありと なおせり.
是をも 真言の 経に ありと なをせり、.

かかる ほうぼうの やからを せめんと するに かえって いよいよ あだを なし そうろう.
かかる 謗法の 族を 責めんと するに 返つて 弥 怨を なし 候、.

たとえば つのを なおさんとて うしを ころしたるが ごとく なりぬべく そうらいしかども いかでさは そうろうべき.
譬えば 角を・ なをさんとて 牛を ころしたるが 如くなりぬべく 候ひしかども・ いかでさは 候べき。.

そもそも この くるまと もうすは ほんじゃくにもんの わを みょうほうれんげきょうの うしに かけ.
抑 此の 車と 申すは 本迹二門の 輪を 妙法蓮華経の 牛に かけ、.

さんがいの かたくを しょうじしょうじと ぐるり ぐるりと.
三界の 火宅を 生死生死と ぐるり・ ぐるりと.

まわり そうろう ところの くるま なり.
まはり 候 ところの 車 なり、.

ただ しんじんの くさびに こころざしの あぶらを ささせ たまいて りょうぜん じょうどへ まいり たもうべし.
ただ 信心の くさびに 志の あぶらを ささせ 給いて 霊山浄土へ まいり 給うべし、.

また しんおうは うしの ごとし しょうじは りょうの わの ごとし.
又 心王は 牛の 如し・ 生死は 両の 輪の 如し、.

でんぎょうだいし いわく.
伝教大師 云く.

「しょうじの にほうは いっしんの みょうよう.
「生死の 二法は 一心の 妙用・.

うむの にほうは ほんがくの しんとく なり」うんぬん.
有無の 二道は 本覚の 真徳 なり」云云、.

てんだい いわく「じゅうにょは ただ これ ないし こんきょうは これ たい」と うんぬん.
天台 云く「十如は 只 是れ 乃至 今境は 是れ 体」と 云云、.

この ぶんしゃく よくよく あんじ たもうべし.
此の 文釈 能能 案じ 給うべし、.

なんみょうほうれんげきょう なんみょうほうれんげきょう.
南無妙法蓮華経・ 南無妙法蓮華経。.

12がつ 17にち.
十二月 十七日.

にちれん かおう.
日蓮 花押.

 
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