なんじょうどのにょうぼう ごへんじ.
南条殿女房 御返事.
こうあん がんねん 5がつ にじゅうよっか 57さい おんさく.
弘安 元年 五月 二十四日 五十七歳 御作.
あたう なんじょうしちろうじろうにょうぼう.
与 南条七郎次郎女房.
こめ にひょう おくり たび そうらい おわんぬ.
八木 二俵 送り 給び 候い 畢んぬ、.
たびたびの おんこころざし もうし つくしがたく そうろう.
度度の 御志 申し 尽し難く 候。.
それ みずは かん つもれば こおりと なる.
夫れ 水は 寒 積れば 氷と 為る・.
ゆきは とし かさなって すいしょうと なる.
雪は 年 累つて 水精と 為る・.
あく つもれば じごくと なる.
悪 積れば 地獄と なる・.
ぜん つもれば ほとけと なる.
善 積れば 仏と なる・.
にょにんは しっと かさなれば どくじゃと なる.
女人は 嫉妬 かさなれば 毒蛇と なる。.
ほけきょうの くようの くどく かさならば あに りゅうにょの あとを つがざらん.
法華経 供養の 功徳 かさならば・ あに 竜女が あとを・ つがざらん、.
やまと いい かわと いい うまと いい げにんと いい.
山と いひ・ 河と いひ・ 馬と いひ・ 下人と いひ・.
かたがた かんなんの ところに たびたびの おんこころざし もうすばかりなし.
かたがた・ かんなんの ところに・ 度度の 御志 申すばかりなし。.
ごしょろうの ひとの りんじゅうしょうねん.
御所労の 人の 臨終正念・.
りょうぜんじょうど うたがい なかるべし うたがい なかるべし.
霊山浄土 疑 なかるべし・ 疑 なかるべし。.
5がつ にじゅうよっか.
五月 二十四日.
にちれん かおう.
日蓮 花押.
ごへんじ.
御返事. |
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