b971.
御衣並単衣御書 (おんころも ならびに ひとえ ごしょ).
日蓮大 聖人 54歳 御作.

 

おんころも ならびに ひとえ ごしょ.
御衣 並 単衣 御書.

けんじ がんね ん54さい おんさく.
建治 元年 五十四歳 御作.

おんころもの ぬの ならびに おんひとえに たび そうらい おわんぬ.
御衣の 布 並びに 御単衣 給び 候い 畢んぬ.

せんびゃくびくにと もうせし ひとは うまれさせ たまいて おんころもを たてまつり たりけり.
鮮白比丘尼と 申せし 人は 生れさせ 給いて 御衣を たてまつり たりけり、.

せいちょう する ほどに しだいに この ころも だいに なりけり.
生長 する ほどに 次第に この 衣 大に なりけり、.

のちに あまと ならせ たまい ければ ほういと なりにけり.
後に 尼と ならせ 給いければ 法衣と なりにけり、.

ついに ほけきょうの ざに して きべつを さずかる.
ついに 法華経の 座にして 記べつを さづかる.

いっさいしゅじょうきけんにょらい これなり.
一切衆生喜見如来 これなり、.

また ほけきょうを とく ひとは にゅうわにんにくえと もうして かならず ころも あるべし.
又 法華経を 説く 人は 柔和忍辱衣と 申して 必ず 衣 あるべし、.

ものたねと もうす もの ひとつ なれども うえぬれば おおくとなり.
物たねと 申す もの 一 なれども 植えぬれば 多くとなり.

りゅうは しょうすいを たうと なし ひとは しょうかを たいかと なす.
竜は 小水を 多雨と なし 人は 小火を 大火と なす、.

ころも かたびらは ひとつ なれども ほけきょうに まいらせ たまいぬれば.
衣 かたびらは 一 なれども 法華経に まいらせ 給いぬれば.

ほけきょうの もじは 69384じ いちじは いつぶつ なり.
法華経の 文字は 六万九千三百八十四字・ 一字は 一仏 なり、.

この ほとけは さいしょうはいしゅを しんぷと なし けんぽんおんじゅを その いのちとし.
此の 仏は 再生敗種を 心符とし 顕本遠寿を 其の 寿とし.

じょうじゅうぶっしょうを のんどとし いちじょうみょうぎょうを がんもくとせる ほとけ なり.
常住仏性を 咽喉とし 一乗妙行を 眼目とせる 仏 なり、.

おうけひしんぶつともうして 32そう 80しゅこうの ほとけ よりも.
応化非真仏と 申して 三十二相 八十種好の 仏 よりも.

ほけきょうの もじ こそ まことの ほとけ にては わたらせ たまいて.
法華経の 文字 こそ 真の 仏 にては わたらせ 給いて.

ほとけ ざいせに ほとけを しんぜし ひとに ほとけに ならざる ひとも あり.
仏 在世に 仏を 信ぜし 人は 仏に ならざる 人も あり、.

ほとけの めつごに ほけきょうを しんずる ひとは むいちふじょうぶつにょらいの きんげん なり.
仏の 滅後に 法華経を 信ずる 人は 無一不成仏如来の 金言 なり、.

このころもを つくりて かたびらを きそえて ほけきょうを よみ そうらわば.
この 衣を つくりて かたびらを きそえて 法華経を よみて 候わば.

にちれんは むかいの びく なり ほけきょうは しょうじきの きんげん なり.
日蓮は 無戒の 比丘 なり 法華経は 正直の 金言 なり、.

どくじゃの たまを はき いらんの せんだんを いだすが ごとし.
毒蛇の 珠を はき 伊蘭の 栴檀を いだすが ごとし、.

きょうきょう きんげん.
恐恐 謹言。.

9がつ 28にち にちれん かおう.
九月 二十八日 日蓮 花押.

ごへんじ.
御返事.

 
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