a1491 むしもち　ごしょ　　 むしもち　いっぴゃくまい　かし　ひとこ　たまい　おわんぬ　　 しょうがつの　ついたちは　ひの　はじめ　つきの　はじめ　としの　はじめ　はるの　はじめ　 これを　もてなす　ひとは　つきの　にしより　ひがしを　さして　みつが　ごとく　 ひの　ひがしより　にしへ　わたりて　あきらか　なるが　ごとく　 とくも　まさり　ひとにも　あいせられ　そうろうなり　　 そもそも　じごくと　ほとけとは　いづれの　ところに　そうろうぞと　たづね　そうらえば　 あるいは　ちの　したと　もうす　きょうもんもあり　 あるいは　さいほう　とうと　もうす　きょうも　そうろう　　 しかれども　いさいに　たづね　そうらえば　 われらが　ごしゃくの　みの　うちに　そうろうと　みえて　そうろう　　 さもや　おぼえ　そうろう　ことは　われらが　こころの　うちに　 ちちを　あなづり　ははを　おろかにする　ひとは　 じごく　その　ひとの　こころの　うちに　そうろう　　 たとえば　はすの　たねの　なかに　はなと　みとの　みゆるが　ごとし　　 ほとけと　もうす　ことも　われらの　こころの　うちに　おわします　　 たとえば　いしの　なかに　ひ　あり　 たまの　なかに　たからの　あるが　ごとし　　 われら　ぼんぷは　まつげの　ちかきと　こくうの　とおきは　み　そうろう　こと　なし　　 われらが　こころの　うちに　ほとけは　おわしますを　しり　そうらわざり　けるぞ　　 →b1491 a1492 ただし　うたがい　ある　ことは　 われらは　ふぼの　せいけつ　へんじて　ひとと　なりて　そうらえば　 さんどくの　こんぽん　いんよくの　みなもとなり　　 いかでか　ほとけは　わたらせ　たまうべきと　うたがい　そうらえども　 また　うちかえし　うちかえし　あんじそうらえば　 その　ゆわれもや　と　おぼえ　そうろう　　 はすは　きよきもの　どろより　いでたり　 せんだんは　こうばしきもの　だいちより　おいたり　 さくらは　おもしろきもの　きのなかより　さきいづ　 ようきひは　みめ　よきもの　げじょの　はらより　うまれたり　　 つきは　やまより　いでて　やまを　てらす　　 わざわいは　くちより　いでて　みを　やぶる　　 さいわいは　こころより　いでて　われを　かざる　　 いま　しょうがつの　はじめに　ほけきょうを　くようし　まいらせんと　 おぼしめす　みこころは　きより　はなの　さき　 いけより　はすの　つぼみ　 せっせんの　せんだんの　ひらけ　 つきの　はじめて　いづる　なるべし いま　にほんこくの　ほけきょうを　かたき　として　 わざわいを　せんりの　そとより　まねき　よせぬ　　 これを　もって　おもうに　 いま　また　ほけきょうを　しんずる　ひとは　 さいわいを　ばんりの　そとより　あつむべし　　 かげは　たいより　しょうずる　もの　 ほけきょうを　かたきと　する　ひとの　くには　 たいに　かげの　そうが　ごとく　わざわい　きたるべし　　 ほけきょうを　しんずる　ひとは　せんだんに　こうばしさの　そなえたるが　ごとし　　 また　また　もうし　そうろう　べし　　 しょうがつ　いつか　　 にちれん　ざい　ごはん　　 おもんすどのの　にょうぼう　ごへんじ　　 →b1492